全米を襲う「デッドモール」の波

6/14発表(日本時間夜)の5月の米消費者物価指数(CPI)は前月比低下で、発表直後に1円近く円高が進みました。

米利上げ発表の数時間前で「何事か」と驚きました。

 

米国消費者の動向に、マーケットは心配しています。

やはり同じ6/14、日経新聞の朝刊に『米商業モール苦境』と題する記事が載りました。怖い記事です。

ショッピングモールの苦境が米国内全土で広がっています。

テナントの撤退で閑散としたモールは、「デッドモール」と呼ばれているそうです。

「今後5年で米国では最大4分の1のモールが消える」との識者コメントも紹介されています。

 

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理由ははっきりしています。ネットショッピングの拡大です。

この勢いは止められません。アマゾンは、6/16米高級スーパーの買収に動きました。

アマゾンとしては同社過去最高の買収だそうです。ネットと実店舗の融合によるオムニバス戦略に、アマゾンも本格参戦するようです。

ネットショッピングのこうした動きは、デッドモールを加速させそうです。

 

一人の消費者からみれば、これまで実店舗で買っていたのがネット通販に変わっただけなのかもしれません。

ネットの便利さから、購買は高まるのかもしれません。

でも、実店舗が苦境に立たされれば、雇用が減りその結果消費が落ち込む循環に入るでしょう。

 

マーケットは、この悪循環を感じ取っているはずです。

日経当記事によれば、モール向け債権を束ねた商業用不動産ローン担保証券(CMBC)の空売りが、米市場では人気を集めているとのことです。

CMBS全体の発行額5千億ドル(約55兆円)の25%前後を小売り関連が占めるそうです。小売りREITの下げも鮮明です。

 

この巨額のCMBSが、金融不安を誘発することはないのか。

ネットショッピングの拡大は、米国に限りません。新興国であろうと日本であろうと、事情は同じです。

小売り・流通の再編の波が、各国同時多発的に起これば、その過程では世界経済に大きな負荷をかけるのではないか。

 

米国10年債利回りは、2.1%台です。今年はずっと下落基調です。もうすっかり、トランプ政権への政策期待ははげ落ちました。

せっかく政策金利を引き上げたのに、上昇の兆しがみえないようであれば、株式市場にもネガティブな影響が波及するのではないかとおもっています。

今週の確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)のスイッチングは、米国10年債利回りの動向に特に注視しながら進めようとおもっています。

 

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