「円安なら株高」は日本独特!

アベノミクスは公式には円安誘導していないことになっているけど、海外からみる日本ははっきりそう見えるのだと思います。

とくに2016年頃までは「黒田バズーカ」とかいって、金融政策決定会合のある日は発砲を警戒して昼休みは外に出られませんでした。会合の様子が昼休みにリークされ、それに先物が反応するのでパソコンのモニターにくぎ付け。会合の日は、あらかじめ弁当買って待機していましたw

緩和策が会合で出ると円安です。「黒田ライン」とかいって、ドル円125円までは行くとの見通しムードが漂ったりしました。でも、ドル建てで投資する海外勢からすれば、うれしい状況ではありません。。




ドル建て日経平均と「バズーカ砲」

下のチャートは、ドル建て日経平均の長期チャートです。薄いピンクが円建て(つまり我々が日常よく目にするチャート)で、濃いピンクがドル建てです。

nikkei225jp.com

このチャートからみてとれるドル建ての急上昇は、2回ほどです。

1回目は2012年後半~2013年前半です。2回目は2017年後半~2018年はじめで、長期チャートでみればつい最近です。

1回目の急上昇は、アベノミクス開始時です。4/4の金融政策決定会合でマネタリーベースで年間60~70兆円増加、国債買入額50兆円の目標が打ち出され、このバズーカ砲は見事的中でした。2回目の急上昇は、衆院選での自民勝利で安倍政権続投、米大型減税可決といったテーマで上がりました。

けっきょくのところ、バズーカ砲が効いたのは最初だけです。2014/10/31の追加緩和(マネタリーベース年間80兆円、国債買入額80兆円に目標変更)は、日本国内では強烈なインパクトがありましたが、海外勢にとっては無風でした。長期チャートでみると、この日を境に2016年はじめまで、ドル建てを円建てが大きく上回っています。円安による株高であるにすぎませんでした。2016/1/29には、マイナス金利の導入であらたなバズーカ砲です。円建ては停滞しましたが、ドル建てはさほど影響を受けなかったことが長期チャートからみてとれます。

 

日本が置かれる独特の事情

日経ヴェリタス5/27号の紙頭特集『ここが変だよ日本株』では、日本株の特異性を論じています。

その中で特に私が目に引いたのは、「株と為替の逆連動性は日本が突出」のグラフです。各国の代表的な株価指数と日経通貨インデックスに含まれる各国通貨の過去3年の相関係数を示したグラフです。マイナスであるほど通貨安による株高の傾向が強いこととなります。

日本が突出して-0.6付近。米、独が0~-0.2のレンジです。インドネシア、中国、ブラジルはほぼ0で、インド、英国、ロシア、韓国は0~0.2のレンジでプラス圏です。

「通貨安戦争」なんて言葉もよく聞きますが、どの国も通貨安を望んでいるわけではないです。日本株独特の現象だと当記事は述べます。その理由として次を挙げています。

・日本には時価総額上位を輸出型の製造業が占め、為替相場と業績相場との連動性がそもそも高い

・国内の機関投資家が外貨建て資産を多く保有している。世界株安のような金融市場のリスクオフ時に国内に資産を戻すと、円高圧力が高まる

・株安と円高が進むと輸出企業を中心に業績下振れ懸念が高まり、株安を招く循環につながる

・日本株は世界の景気敏感株。自動車や機械、半導体関連など世界景気との連動性が強い大型株が多い

 

まとめ

「確定拠出年金の毎日スイッチング」と称して日々、国内株式連動商品を売買しています。日本株の流動性を活かした投資法といえるかもしれません。海外株連動商品は積立て主体で運用しています。




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