英EU離脱、迫り来る10月リミット

EU離脱は問題が大きすぎて、株式市場は上手く反応できません。

16/6国民投票での離脱決定、17/7総選挙でのメイ与党過半数割れなど、節目のイベントでは株式市場は揺さぶられてきました。

でも離脱決定後、先行き不安からポンド安が進んだことがかえって追い風となったりしながら、英FTSEM100はおおむね上昇基調でここまでやってきました。

物価上昇率もイングランド銀行が目標とする2%を超えていた時期もあり、8/2の金融政策委員会での政策金利引き上げの可能性もいまだ高い状況です。




2017年3月29日にはじまった離脱交渉の期限は丸2年です。

2019年3月が最終リミットですが、議会手続きのための実質的なリミットは10月だとされています。残り3ヶ月です。

7/12、英国は交渉のたたき台となる「白書」を公表しました。

10月までに必要な合意

日経新聞7/19~21の連載『英EU離脱 白書を読み解く』によれば、10月までに

・離脱の方法などを定めた「離脱協定案」

・離脱後の通商協定など将来の英・EU関係の大枠を定める「政治宣言」

の二つを必要とするとのことです。今回の白書は、「政治宣言」交渉に臨む英国側の基本方針を示したものです。

この白書を取りまとめる過程で、英国側は2人の閣僚が辞任するに至り、メイ首相の求心力は低下するばかりです。ヨレヨレになりながらどうにか取りまとめた格好です。

しかも、EU側が受け入れられるのかは全くの未知数です。

残り3ヵ月というのに、方針すらまともに固まっていない状況です。

 

「いいとこ取り」をEUは警戒

白書の目玉は、英国とEUのモノの貿易は関税での通関手続きなどを不要とする「自由貿易圏」の創出です。

EUが主張するのが自由貿易協定(FTA)で、通関手続きは避けられないとのことです。

当記事によれば、「関税ゼロで税関手続きも不要」という現状の恩恵を享受し続けたいという思惑が強く滲んでいるようです。

モノだけで労働力の自由な移動がないところは、「いいとこ取り」とEUに警戒を与えそうです。

 

アイルランド国境問題

10月までに解決策で合意できなければ交渉が白紙に戻ってしまい、通商関係などの取りまとめがないまま離脱してしまう危険性があることからアイルランド国境問題は注視されています。

宗教対立による激しい北アイルランド紛争の舞台となった国境地帯は、EUの元で経済・社会の一体化が進みました。英国側としては自由な往来は確保し、不安定となるリスクは回避したいところです。

また、北アイルランドがEU残留するとの案も出ているようですが、それにはメイ首相は断固反対しているようです。

 

まとめ

ここまでマーケットは、合意のないままの離脱はないとの前提で動いてきました。この3ヵ月の間に波乱は起きそうです。

確定拠出年金の毎日スイッチングは、英EU離脱の問題の行方に警戒しながら進めたいとおもっています。




 

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