サラリーマンである私にとって最大の恐怖は、失業です。家族持ちなので、そんな事態となればパニックです。労働分配率の低下にはやりきれません。
毎日スイッチングしている確定拠出年金(401k)の原資は、勤め先から出ています。会社側としても掛金は損金扱いにできるのでメリットが大きいです。
なにも好きで加入したわけではありませんが、今では運用ブログを書くほどの熱の入れようです。このブログも閉鎖となってしまいます。。
労働分配率
9/1発表の法人企業統計調査で、2016年度の内部留保留保が400兆円を超えたことがわかりました。内部留保とは、企業の溜め込んだ利益の累計です。設備投資にも株主還元にも、そしてサラリーマンの賃上げにも回らずブタ積みされたマネーです。実に名目GDPの約7割に当たります。汗水流した7割が世の中の役に立っていない事だと捉えています。
内部留保と合わせてメディアが報道したのが、労働分配率です。メディアによって数値に揺らぎがあるようなので、定義は曖昧なのかもしれません。
ここでは9/6日経新聞『世界企業〜日本の立ち位置〜』に基づいて話します。当記事は、「経済協力開発機構(OEDC)の統計を基に企業の生み出した付加価値のうち労働者の所得がどれくらいあるか」を労働分配率としています。
日米欧の労働分配率
毎日尻を叩かれながら生産性向上に努めています。私は建築系のITシステムを開発を生業としていますが、完成したときの喜びはひとしおです。機能が増えて顧客は喜び、生産性は上がります。でも、便利になった結果、人間の労働が貢献できる領域が狭まったとジレンマも感じます。
日経新聞9/6当記事によれば、日本の労働分配率は2011年に81%のピークを付けて以降、下げ止まらず2015年は75%です。欧米より下落の度合いは顕著です。
2005からの10年間の日米欧の労働分配率の推移が掲載されています。米国は80%前後、欧州は70%近辺で推移しています。
2009〜2012年当たりまでは日本がトップにたちましたが、その後は下落傾向にあり、今では欧州の水準に近づいています。
労働分配率が停滞の原因として、
・グローバルな企業間競争の強まり
・ロボットを使った自動化
・非正規の雇用の拡大
・株主還元策を重視した経営
をあげています。日本固有の事情については、春闘が目先の賃上げから働き方改革に移ったと触れる程度で、当記事では深堀していません。
まとめ
労働分配率を低迷させている4つの原因のうち、「ロボットを使った自動化」は暴走気味です。
フェイスブックCEOザックバーガー氏は、ベイシックインカム(貧富によらず働かなくてもいい得られる収入)の充実、元MicrosoftのCEOゲーツ氏はロボット税を唱えて話題となっています。
米IT大手数社への寡占化が進み世界経済全体にまで影響を及ぼすまでとなった企業トップからの発言なので素直に受け取るわけにはいきませんが、たしかに働かずに楽できる社会になるのなら喜ばしいです。
私が現役のうちは、喜ぶより心配ばかりでしょう。AI(人工知能技術)がさらには加速するのか気掛かりです。