海外メディアは先に行われた英国6月総選挙を、今回の日本の衆院選に重ね合わせてみているようです。メイ首相が強気に打って出た議会解散は裏目に出ました。4月解散時点で30ポイント以上野党と大差を付けていた世論調査支持率が、投票前には逆転を許しました。ハードブレグジッドの信任を得るはずの選挙で大敗退です。
先月9月のドイツ総選挙は当初からの大方の予想通り、メイケル首相キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が勝利したものの、2013年時より議席を大きく減らし連立の相手も交代に追い込まれました。敗退となった第2党ドイツ社会民主党(SPD)は選挙後はやくも連立離脱を表明、あらたに自由民主党(FDP)と緑の党との連立の公算です。極右政党ドイツのための選択肢(AfD)の躍進には、ポピュリズムの波がまだまだ衰えていないと感じました。
選挙はフタを開けてみなければわかりません。
野党の流動性が高まる日本
突然の衆院選解散に驚きました。さらなる驚きは野党の動きです。蓮舫氏に代わる党首選が行われたのが9/1。野党第1党民進党は前原氏を党首に選出しました。1ヵ月も経たないうちに民主党は事実上の解党です。本日のメディア報道をみていると、前原氏は小池都知事との協調体制を以前より画策していたようです。衆院選の号令とともに野党の動きが一気に高まりました。
小池都知事が急浮上です。「コイケノミクス」なる新語も登場しました。勝利を確信して解散したはずの阿部首相ですが、先週は小池都知事の動向に警戒感が高まった一週間となりました。7月都議選での「都民ファースト」が躍進し自民党は惨敗しました。
政策的には自民党と大差はないはずです。小池都知事が立ち上げた「希望の党」に、民進党の候補者が合流します。小池サイドは合流とはいいません。候補者を選別する意向です。踏み絵を用意しました。憲法改正と日米安保理堅持に同調できない民主党候補は排除する意向です。自民党を後押しする格好ですが、与党自民党にとっては選挙の上では危険な存在に小池都知事はなりました。
民進党を踏み台にして自民党に歩み寄る流れを野党の動向から感じざる得ません。ボッとしていては勝てない野党の流動性が高まっています。
新風コイケノミクスに早くも逆風到来
小池都知事から踏み絵を用意された民進党はから、不満の声が現れてきました。希望の党への合意は民主党内で全会一致のはずでしたがホンネが噴出しました。日経新聞10/1『民進、もろさ露呈』によれば、民進党の中でもリベラル系とされる議員から無所属での出馬表明が出てきました。辻本清美幹事長代行が悲痛な顔での出馬表明の映像には、民進党内の深刻さが伺えます。
「野合」のイメージ払拭を狙って用意された踏み絵でしたが、一転、野党一致団結は難しい局面に変わりました。
まとめ
一筋縄ではいきません。目まぐるしく変わる情勢に国民目線ではついて行けません。確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)のスイッチングを行う上でも今回衆院選には目が離せません。世論調査の結果が待たれる一週間となりそうです。