金利上昇に貿易摩擦と、2018年は企業にとって向かい風がビュンビュン吹き荒れています。
企業は設備投資に及び腰、、なんて勝手にストーリーを作りがちです。実態はいったいどうなっているのか気掛かりです。
若返る設備
6/3日経新聞一面『「設備年齢」若返り進む』によれば、前年度実績と比べ2018年度の全産業の計画額は16.7%増です(日経新聞社がまとめた設備動向調査)。
豊富な手元資金を使って古びた設備の更新投資を増やし、生産性を底上げする動きが強まっているとのことです。
当記事内のグラフ「設備投資の前年度比増減率」によれば、直近2年に増加が急上昇です。さらには「日本の設備年齢は若返っている」グラフでは、設備を購入後何年使ったかを示す設備年齢は、ここ数年で急激に落ち込んでいます(若返っています)。2011年度が5.41年に対して、2017年度は4.96年にまで落ちています。
小売りの増加が際立つ
7面関連記事では、産業別に前年度比増減率の一覧が掲載されています。石油、ゴムと続き小売りの42.1%増で際立っています。人手不足の対応に加えネット通販の台頭をにらんだ大型投資が目立つと当記事は述べています。イオンはアマゾンに対抗するため、店舗関連の投資を減らす一方で人手不足の対策となる物流・IT関連やデジタル・インフラ投資を増やしているとのことです。
ただ、一覧表をみるとわかるのですが、年度によって増減は大きく異なります。小売りは前回マイナス5.7%に対して今回は42.1%増です。数字のムラには気を付けてみる必要があります。
まとめ
AIとかIoTだとかの最新イノベーションへの投資に比べ「古びた設備の更新投資」といわれても地味さが否めませんが、手堅さが感じられ安堵の思いも沸いてきます。人口減少が進む高齢化社会の中にあって、設備まで高齢化が一方的に進んでいるのだとすれば大変です。更新投資の増加は必然といえるのかもしれません。株式投資をやっていると株主還元の話題にばかり関心が向きがちですが、設備投資によって業績があがり株価が向上するというシナリオのほうが健全です。
日経新聞の記事をみる限りでは、企業の設備投資は堅調のようです。地合いの悪い株式相場が続きますが、過度にネガティブになるとチャンスを逃してしまいそうです。明るい材料にもアンテナを張り巡らせ、確定拠出年金の毎日スイッチングは進めていきたいとおもいます。