毎月第1金曜日に発表される米国雇用統計。雇用統計の中でも「非農業部門の雇用者数」の伸びが注目されます。
米国は、「物価の安定」と「雇用の最大化」を重視して金融政策を定めるよう法律で定めている国です。これらはもちろん大切な観点ですが、法律で明記する国は世界的に珍しいようです。ただ、世界最大の経済大国である米国が取っている政策なので、世界のマーケットに大きく影響を与えます。そんな事情もあって、米国雇用統計に注目が集まります。
非農業部門の雇用者数の伸びは、月次で20万人を超えると景気は良好とされます。前回8月統計は16.9万人増でした。概ね20万人近辺にあるのでマズマズといった感じでした。
ところが、昨日(10/6)発表の9月統計は、なんとマイナス3.3万人でした。驚きです。7年ぶりの事態とのことです。
ハリケーンの被害は絶大だった
例年、大雪に見舞われる1~2月の統計は悪化します。9月雇用統計は、ハリケーンの被害が色濃く反映された結果です。
8月下旬と9月上旬に立て続けに、超大型ハリケーン「ハービー」と「イルマ」が米国を襲いました。ハービーは、1000年に1度とも云われる大洪水を引き起こしました。イルマ到来の際は、600万人もの人に避難勧告がでました。もし東京を襲ったとしたら半分以上の人が避難した勘定です。
日経新聞電子版10/6『ハリケーン被害で7年ぶりの減少 9月の米雇用統計』によると、雇用統計を押し下げた要因として、飲食店や小売店が休業した影響が大きいとしています。飲食業が10万人超も減ったとのことです。
そもそも、マーケット予想も8万人増でした。予想は大幅にハズレました。それだけ甚大な被害であったことが伺われます。
マーケットの反応は穏やか
雇用統計発表の1時間後にはじまった10/6米国株式市場は、終始穏やかな展開でした。ダウは前日比-1.72ドル、ナスダックは+4.82ポイント、S&P500は+4.82ポイントで終えました。
復興需要が意識されました。財政出動も余儀なくされます。非農業部門の雇用者数はマイナスで驚きましたが、失業率は前月より0.2ポイント改善しており、この点は好材料とマーケットは受け止めました。
当記事によれば、米国時間10/6午前には、1ドル=113円40銭近辺と7月半ば以来、約3カ月ぶりの円安・ドル高水準をつける場面がありました。
まとめ
確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)を毎日スイッチングしている身としては、毎月金曜日の米雇用統計にはヒヤヒヤさせられます。昨日も発表直後はドキッとしましたが、こうしてブログ記事を書きながら状況を調べると、統計結果を冷静に受け止められるようになりました。