米アップル社は4/9、世界43カ国にある自社施設で使用する電力が100%再生エネルギーになったと発表しました。
えっっ、率直にスゴイです!WTI原油価格をみながらアレコレ先行きを思いながら株式投資や確定拠出年金のスイッチングを繰り返していると、こうした地味だがスゴイ取り組みを見過ごしがちです。
日経新聞6/9『米、実は環境先進国』によれば、パリ協定から離脱した米国が足元で温暖化ガスの排出量を大きく減らしているとのことです。アップルに限らず米国の名だたる企業が国際コンソーシアム「RE100」に参画してCO2削減の流れを後押ししているようです。
RE100
自社で使用する電力をすべて再生エネルギーにすることを目指す国際コンソーシアム「RE100」が2014年に結成されました。
結成当初、中国やインドなどの新興国の企業も名を連ねる中、日本からの参画はゼロでした。当コンソーシアムのサイト
に参画企業が掲載されています。2018/06/09時点で136社です。日本からはイオンが加盟していました。2050年までにオフィス・店舗での二酸化炭素排出量をゼロにするとの目標を掲げています。
日本企業には参画を阻む要因もあるようです。
固定価格買取制度(FIT)によって大手電力が固定価格で買い取った電気は、コストが割高なので再エネ賦課金を国民が負担しています。環境価値は賦課金というかたちで国民に広く薄く還元されているので、電力そのものは環境価値はないという整理になっているとのことです。調達方法を厳密に審査するRE100は、日本のFIT制度による電力は再エネ電気と認めていないことが、日本企業の参画を阻む要因となっているようです。ただ、
によれば、環境価値を外部から購入するだけでの目標達成には環境保護団体からの目が厳しいようです。「環境価値の購入だけでRE100を達成する方法は、新規の再エネ投資を創出しない」との批判から、自社内に発電設備を整えて目標達成するのが望ましいあり方のようです。
まとめ
資源価格に左右されず安定的に電力を確保できるという経済的メリットがないと企業は動かないでしょう。設備投資に見合ったメリットを回収できるのは、アップルのような大手企業に限られるような感触も受けます。中途半端な意気込みだけで参画する企業は息切れしてしまうのかもしれません。遅れを取る日本。スゴイを超えて脅威にさえ感じます。