「初心者なのだから」、それだけの理由でドルコスト平均法が推奨されています。投資教育の問題です。
これまでみてきたように、マーケットが下落基調であれば拠出額の増大とともに含み損が増える危険性をはらんでます。逆に上昇基調であっても、月々は少額の拠出であるわけですから、ハイリターンは期待できません。
「遊んでいるお金」ならまだしも、年金運用のように、「守るべきお金」に対してはとくに、投資行為を推奨する側にいる金融・市場関係者は、無難で簡易な運用方法を広く普及させたいと考えています。
無難で簡易であれば、たとえ損失が膨らんだ個人からも、金融・市場関係者は責められにくくなります。投資教育をする側に、防衛本能が働いてます。防衛に打ってつけの手法が、ドルコスト平均法なのです。
私は、401kを本格的に運用する以前は、経済にも投資的なことにも本当に無知でした。無知だからでしょうか。かえって、ドルコスト平均法のメリットを強調する文章をみると、拒絶感が高まりました。
やさしく諭されるように語られると、逆に、疑いが膨らむ。
なぜでしょう。わからないことに接したときに、どのように向き合うかは、
人の性格に大きく依存します。
私の場合は、「そのまま無知であり続けろ」、「考えなくていいのだ」と説得されているようで、反発心が高まってしまいました。
ドルコスト平均法には、運用者の意思を軽視する側面があります。
機械的な運用だから当たり前といえばそれまでですが、自分の意思が介在しないこと自体が危険だと私は考えます。
昨今、AI(人工知能)技術の発展がめざましいです。「フィンテック」という、IT技術を使った金融関連のサービスを指す用語が、ここ数年で一般の人にもかなり知られるようになりました。
私は、「お手軽さ」、「簡単」、「便利」といった言葉で彩られたフィンテックの紹介をみると、ドルコスト平均法を拒絶したときと同じ感覚を持ってしまいます。
ドルコスト平均法で運用しつつも、定期的に資産状況を確認しましょう。
みれば、何かを感じる。工夫も生まれる。自分の意思を大切にして401kを運用をしましょう。