シェアリング・エコノミー:「愛着」が「活気」を生み出す

シェアリング・エコノミー:個人の資産を企業は喰い物にしていないかと述べました。

賃貸経営の世界では、「土地さえあれば上屋はタダ」なんて触れ込みでサブリース方式(一括借り上げ)が横行しています。

2015年の税制改正にともない相続税非課税枠の縮小となりました。賃貸住宅を建てると土地の評価額は減ります。

相続税納税回避の目的で、賃貸住宅の建設ラッシュがはじまりました。2016年の日銀マイナス金利導入が追い打ちを掛けました。

 

賃貸住宅市場はもはやバブルです。

アパートローンが頭打ちの感が今年2017年に入って出てきました。

 

とはいえ、人口減少が進む社会では「遊休資産」は確実に増えます。シェアリング・エコノミーは、長期的には概念は大切です。

遊休資産を活用したいと個人が思い立たち賃貸経営を始めたいとしても、建設、不動産の知識がありません。

株式投資のように気楽に始められる資産規模ではなく、資金繰りリスクをどう捉えたらいいのか全くわかりません。

どうしても個人から企業に主導権は流れてしまいます。シェアリング・エコノミーは大切だとわかっていても現実は厳しいです。

 

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個人が主導権を確保できないのか。企業主導の流れを少しでも緩和する手立てはないのでしょうか。

メリットを感じられない個人が増えるだけなら、住宅・不動産業にとっても遠からず打撃を喰らいます。

業界としても手をこまねいているだけではないようです。「賃貸併用住宅」なんてタイプの賃貸住宅を打ち出しています。

 

「賃貸併用住宅」とは何か。

自らが住む居住スペースを確保した賃貸住宅です。賃貸スペースを落とすので賃貸収入は減少します。ただ、居住スペースを50%をわずかにでも超えれれば「自宅」とみなすことができ、住宅ローンが活用できるようになるのです。

アパートローンより低金利で賃貸住宅を建設できます。賃貸スペースを落とすとは、空室リスクを減らすことでもあります。低金利と低リスクで、賃貸経営の着実性が増します。

 

相続税対策が必要でなければ、賃貸住宅なんて建てたくないとホンネでは思う個人が多いのだとおもいます。

愛着がある土地に住み続けたい。その思いが詰める余地がある賃貸住宅なのだと、賃貸併用住宅の提案に力を入れる住宅・不動産業を見て思うところです。

 

「愛着がある土地」とは云え、マチに活気がなければ住み続けることはできません。

私が学生時代に過ごした東京目黒区は住宅街です。相続税対策で土地を分割して建てたアパートの4畳半に住んでいました。毎月月末には隣に住む大家に家賃を払いに行きました。銀行振り込みを大家は許しませんでした。顔色をみて入居者の様子を伺いたかったようです。風邪でも引けばご飯を差し入れしてくれました。

いわば20数年前の「賃貸併用住宅」です。地方からやってきた新参者の私にとっては、貧乏生活でありながらも安心して暮らせました。

住みたい街ナンバーワンが常連の自由が丘を有する目黒区ですが、東京23区の中でも事業所数が少ないわりに稼ぎのない”有閑マダム”が多かったりして、財政が脆弱となる側面をもっています。誰もが住みたい街には、新参者を呼び込み「活気を生み出す」工夫が常に求められているのです。

 

愛着がある土地に活気を生み出す。

個人のエゴによる投機目的で建設している賃貸住宅が乱立しています。個人に主導権を取り戻すためには、「愛着」と「活気」の両輪が必要なのではないかとおもいます。街づくりの視点にたった賃貸住宅が求められています。

 

シェアリング・エコノミーの概念は、資産形成の新しい可能性を秘めています。

確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)のスイッチングを行う上でも、長期的な視点でシェアリング・エコノミーの動向を追い続けたいと思っています。

 

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