「黒田バズーカ」なんて過去の遺物か?2年ぐらい前は、日銀金融政策会合の日は株価が大揺れで、昼休みはパソコンに釘付けでした。大引け後の黒田日銀総裁の記者会見を待たず、昼飯時に会合の内容がリークされます。11時半〜12時半は現物取引は休みですので、日経平均先物の動きを1分単位でモニタリングしていたのが今では懐かしいです。
今月12/20~21に日銀金融政策会合が開催されます。なにせ、今月は12/12〜13(米国日付)に開催のFOMCでの今年3回目の政策金利引き上げに注目が集まり、日銀の影は薄いです。
影に隠れながら日銀はしたたかに動いています。
日銀は80兆円の国債購入を実はしていない
12/4日経新聞『日銀マネー供給 鈍化が鮮明に』によると、もはや日銀は大々的に掲げた80兆円の長期国債購入をしていません。当記事には2013年からの資金供給量がグラフで示されています。80兆円なんて宣言しながら実際にその水準にあったのは2016年前半までです。以降は下り坂。先月11月は51.7兆円でした。
正直なところ安堵の思いです。市場では国債の枯渇寸前です。市中銀行は痛めつけられました。異次元ともいわれる金融緩和を続けても物価2%目標は全く見えてきません。限界に達した金融緩和が鈍化してホッとする思いです。
当記事でも、
国民生活に特段の影響もなく、政府や企業からの反発もない。銀行界はむしろ日銀の姿勢転換を歓迎している。量を減らす社会的な制約はないに等しい
と評しています。
このような状態を「ステルス・テーパリング(こっそり行う量的緩和の縮小)」と呼ばれるそうです。
当然の成り行きでもあります。昨年9月に長期金利を0%程度に誘導する政策を日銀は導入しました。「量」から「金利」への政策転換です。80兆円購入はその時点から形骸化していました。
長期金利は0%付近で推移しているのだから国債購入額減少は当然との雰囲気を作り出しました。
リバーサル・レート
さらなる形骸化も進行中です。黒田総裁の11月の講演で飛び出した「リバーサル・レート」にマーケットは反応しています。金利が下がりすぎると緩和効果がそがれる可能性に言及しました。金利の上昇期待を暗示した発言です。金利が上がれば国債価格は下がります。日銀としてはさらなる購入額減少になるわけです。
昨今の株高ではマーケットは容認の姿勢を取り続けると思っています。12月の金融政策会合では、リバーサル・レートに関する質疑応答が出てくるのではないかと思います。
まとめ
確定拠出年金とともに株式投資もやってます。とはいえ個別株の知識は深まらずETFばかりです。四季報を読んだりして勉強したいとは思いますが、なかなか時間が取れません。
でも、そんな状況ですが金融政策は大変気にしています。個別株は株価指数の影響を受けます。そして株価指数は金融政策の影響をもろ受けます。
時間がなかなか取れない人は金融政策だけでも新聞記事を真面目に読めば、大損は避けられると思います。