改元と重なる今年のゴールデンウィークは10連休です。
大型連休の余暇を使って資産形成の見直しをされる方は多いかと思います。
我が家は一足早く連休前に話し合いをしました。
というのも、私の勤め先の確定拠出年金(401k)はこのたびマッチング拠出を導入しました。マッチング拠出とは、企業からの掛け金と同額までを加入者自身が掛け金を追加(ただし合わせて月額55,000円が上限)できる制度です。
4月内に申し込み開始とあって、家計簿をみながら妻と話をし早速申し込みました。
このブログ記事が、資産形成の見直しにあたっての参考になればとおもいます。
住宅ローンとのトレードオフ
結局のところ話し合っても毎月の家計で節約できるところはさほど見当たりません。。マッチング拠出は給与からの天引きとなるので、ボーナスから貯金している分を毎月の家計に補填することとしました。
我が家でやったことは「考え方の変更」です。
現在、持ち家の住宅ローンを変動金利で借りています。1%を下回る金利です。住宅ローンの繰上げ返済分をマッチング拠出に回したと考えることとしました。
・マッチング拠出年金の制度上の大きなメリットは、拠出額の全額が所得控除となることです。所得税10%、住民税10%とすると、月額2万円拠出なら年間24万円のうち4万8,000円が控除されます。10年で48万円です。
・さらには、金利差です。住宅ローン金利を1%、確定拠出年金の利回り(初回入金来利回り)を2%とすれば1%分はお得です。たとえば月額2万円を10年間の1%年複利で計算してみると、240万円の積立に対して12万4,481円増(5.187%増)となります。
10年間、住宅ローンの繰上げ返済もせず放置していた場合に比べて、2万円をマッチング拠出にまわしたほうが約60万円(=48万円+12万4,481円)のお得となります。
仮に元本確保型100%として運用利回りを全く当て込まなければ、住宅ローンとの金利差は▲1%です。上の計算では約36万円(=48万円-12万4,481円)にとどまります。
上述の計算中の2%という運用利回りの仮定は、次のブログ記事などを参考にしてもらえれば決して強気な数字ではありません。
そもそも、想定利回りを2.0〜2.5%あたりに定めて掛け金を出している企業が多いです。想定利回りとは、企業が主体的に運用する確定給付型年金で受け取る想定の額に到達するために必要とされる運用利回りです。それを下回る運用利回りであると、制度設計上は本来受け取るべき額を受け取れないこととなってしまいます。上述の計算中の2%は401kをはじめたからには最低目標とすべき運用利回りでもあります。
住宅ローンとのトレードオフという考え方は、個人型確定拠出年金(iDeCo)をやっている人でも適用可能です。ただ、口座管理手数料分の目減り、専業主婦の方であれば所得控除を受けられないといった点は注意です。
なお、拠出金は60歳までは受け取れないこと、一時金であれ年金であれ受給時には控除を超える額には課税されることは頭に入れておく必要があります。こまかくいえば、住宅ローン減税による税額控除を受けていればその恩恵分は目減りします。やはり利回りを軽視した確定拠出年金の運用ではデメリットばかりが目につくこととなります。
まとめ
このブログ記事は、マッチング拠出を導入している企業に勤めていて住宅ローンの負担に悩むサラリーマンの方に参考になればとおもい書きました。
私の勤め先では2005年から401kを開始しています。今回私なりにシミュレーションしてみると2025年には確定拠出年金が住宅ローンの残高を上回る勘定でした。住宅ローンは、親の世代では考えられなかったほどの低金利です。繰上げ返済ばかりに囚われず資産形成を考えています。
注:ここでは、401kと住宅ローンの通算について紹介しました。通算の考え方は、どの資産を対象にするかは、けっこう御都合主義になりがちです。私なら株式投資も加えた方が本来良いですが、これは遊び感覚が多分に含まれているので対象外です。きっちりやるなら全家計資産を洗い出して通算の対象を決めるべきです。