英ハング・パーラメントと日英FTA

英国保守党は、6/8総選挙で過半数割れ。
4月の選挙実施の表明時は、世論調査で労働党と支持率で大差があり、メイ首相率いる与党・保守党は大幅に議席数を伸ばすと予想されていました。

議席数を増大となれば、国内世論を味方にEU離脱交渉を優位に進められるとの見立てでした。
ところが労働党の猛追に会いました。主に若者票を労働党は手にしたようです。

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ちょうど1年前の2016年6月のEU離脱を問う国民投票では、反EU離脱が優勢と予想した世論調査は信頼を失いました。
浮動票に対する補正係数の掛け方を吟味するなど、マスメディアの威信をかけて世論調査の精度向上をしてきたはずですが、今回もハズレでした。

 

昨年は選挙に行かなった若者の数を見誤ったようです。
過半数を取れなかったということは、議会は宙ぶらりんの状態です。ハング・パーラメント。

 

選挙翌日6/9、北アイルランドの保守系地域政党・民主統一統(DUP)からの協力を取り付け、なんとか世界の混乱は回避しました。マーケットに波乱はありませんでした。

 

先週6/19からは、EU離脱交渉がスタートしました。
論争が激化していない現時点では、マーケットはうごけませんでした。
緊張感は高まりました。英国債相場の下落をきっかけに米金利は上昇。上昇といっても米10年債利回りは2.1%台の低水準。それでも、日米金利差は広がり、円安の方向に振れました。緊張感が高まる中ではありますが、株式市場には心地よい風となりました。日経平均株価は、先週は0.95%の上昇で終えました。
依然、EU離脱はまともに反応できていません。問題先送り状態です。

 

英国に進出している日本企業は、そんな状況は心配でなりません。
昨年2016/9月には、日本企業にヒアリングをした結果取りまとめたとされる要望書『英国のEU離脱に関する政府タスクフォース』を日本政府は突如しました。
G20直前の公表であっただけに、「前代見聞」の日本政府の行動たと、英国はじめ海外メディアには映ったようです。

 

そして今週日曜6/25の日経新聞1面に『日英FTA交渉へ』です。

7月にも大筋合意と云われているEUとの経済連携協定(EPA)と同水準の協定を英国との間で適用できるようにするとの日本政府の戦略がリークされました。

これに対する海外メディアの記事は、私はネットで探しましたが眼にしていません。

 

昨年の要望書では「予見可能」なEU離脱交渉であってほしいと述べています。結果はどうであれ、交渉リミット直前の妥結は日本企業だけでなく世界を混乱に陥れる。予見可能な状態で交渉を進め、マーケットの停滞を防いでほしい。

 

日英FTAは、日本が世界に先んじて示したロードマップだと思います。

 

確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)のスイッチングにもEU離脱問題を織り込んでいきます。

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