首相の健康問題でアベノミクスは突然の幕引きとなりました。
なにはともあれまずは十分な静養をとってもらいたいところです。
直近は、臨時国会を召集しない異例の事態で「政治の秋」をにらんで静観しているようにもみえました。解散総選挙への警戒から野党は合流新党の動きをみせていました。
臨時国会はいまだ召集せず、支持率下がりっぱなし。
解散総選挙と天秤にかけているようだ。野党は合流新党でざわついてる。
波乱の前の静けさかな、不気味だ。
日経平均39.75円高。今週もおつかれさま〜https://t.co/4arWzmFYsm— いんとく (@kab_suke) August 14, 2020
ただ海外勢は、首相の健康問題をより強く気にかけていたようにおもいます。ロイターの英語版と日本語版を読んで株式市場の様子を確認しているのですが、こんなツイートをしてました。
ロイター英語版、日本市場への概観では最近はずっと首相の健康問題に触れてる。
一方『東京マーケット・サマリー』(日本語)では売買薄を嘆く素っ気ない記事が続き、この問題への海外の関心が際立つ。
連続在任記録を更新、ただ日経朝刊によれば4期やる気は本人にないようだ。https://t.co/WzoqOTp5uH
— いんとく (@kab_suke) August 24, 2020
検査入院で不穏な気配は感じていたもののまさか辞任に至るとは驚きです！
なんとも呆気ない幕切れだ。。
14時にガクリと下げたチャートみて知りました‼️日経平均326.21円安。
でも海外はたいして反応してないようだ。すぐには消化できないや、
良い週末を〜https://t.co/sRoX4DLnFQ— いんとく (@kab_suke) August 28, 2020
アベノミクス突然の幕引き
証券口座を開いて私が株式投資をはじめたのは2013年の秋です。ほかの政権下での経験がないのであれこれ言えるわけではないですが経済重視の政権でした。
「アベノミクス」は誰もが知るところです。突然の幕引きで総括したくても消化不良です。。日経新聞8/29『アベノミクス 未完』に掲載のグラフをみながら振り返っておきます。
・日経平均は、アベノミクス開始時(2012/12/26)は1万230円で辞任表明のあった2020/8/28は2万2882円です。
リーマンショックからの回復期にあったので政権下での2倍以上の上昇はしかるべき結果だとおもいます。もちろん日銀による異次元の量的金融緩和策が功を奏しましたが、その威力が効いたのも2015年頃までです。
・実質GDPは498兆円から540兆円まで上昇したのち、コロナの打撃で485兆円に落ち込んでいます。失業率は4.3%から2.0%近くまで引き下がったものの現状は2.8%です。
リーマンショック前でも実質GDPは500兆円付近であったので堅調な上昇でした。いざなみ景気越えの最長記録がかかっていましたが2カ月届かず2018/10に終わり71ヵ月でした。ただ、一般の人の目線できればやはり実感なき成長です。
・海外投資家の累計株買総額は2015年には20兆円あったものの現状では3兆円
これはショッキングです。海外目線でいえばアベノミクスは打ち上げ花火の感です。ROE8%目標の伊藤レポート、法人税引下げ、ガバナンスコード強化など投資家目線の改革で株式相場は上昇したものの、世界に比べて日本企業の魅力が相対的に落ちているようにもみえてしまいます。
まとめ
8/28の日経平均は首相辞任がマーケットオープンの最中に伝わり一時的に600円下げましたが終値は326.21円安に留まりました。突然の首相交代であっても落ち着いた感です。
アベノミクスを消化不良気味ながら振り返ると、政治的には官邸主導が強まり長期政権となりました。米国にしろ中国にしろ権力集中が強まり政治というよりは行政の力で困難な局面を乗り切る場面が多いです。経済的には新型コロナによるパンデミックで金融緩和がますます加速しています。
次の首相が誰になるにしろ、現行の維持が重視されるとおもいます。ただ、海外勢が長期政権の終焉をどうみるのか、週明けの株式相場の動きに注目です。