確定拠出年金の現在の資産を、転職や離職によってあらたな確定拠出年金へ移動することがあります。
個人型確定拠出年金(iDeCo)に入っている方は、管理手数料や信託報酬などを比較して、よりパフォーマンスの良い運営管理機関を切り替えたいことがあります。
確定拠出年金は、資産の移動が可能(ポータビリティ)な制度となっています。
金額=単価×数量。この単純な公式をすっとばして経済の話がなされることが、あまりに多い、そう感じています。
資産を移動すると、運用商品を買い直すことになります。
せっかく含み益が出ている商品を一旦解約して、あらたな商品を買い直す羽目になります。デメリット(欠点)と感じてしまうかもしれません。
株式や債券の相場が高い状況で資産移動をせざるえない人は、あらたな商品を「高値つかみ」してしまう危険を感じ、
運用へのやる気を失いかねません。
普段から「順張り」投資を心掛けていると、そんなときでも安心です。
投資には、「逆張り」と「順張り」のアプローチがあります。
「逆張り」とは、相場を底やテッペンを狙って売買する投資法です。
相場が下落基調にあり底に近づいたと感じたとき買います。暫くすれば上昇に転じ含み益がでるからです。
相場が上昇基調にありテッペンに近づいたと感じたとき売ります。その後の下落で含み益を失わないためです。
底で買ってテッペンで売れれば、大きな利益は得られます。
一方、「順張り」とは、相場の波に合わせて売買する投資法です。
相場が上昇基調であれば買い、下落基調であれば売ります。
相場の波の上下に合わせてコツコツ売買を繰り返し、少しずつ利益をあげていきます。
現実には、上昇と下落の基調なんて誰も明確に言い当てることができません。
上昇の中に小さな下落の波が来ますし、その逆もあるわけです。
「逆張り」投資は、相場を読み間違えたときの失敗が大きいです。
なぜかといえば、「逆張り」は「順張り」にくらべ、売買のチャンスが少ないからです。
「逆張り」は相場の底とテッペンしか狙わない考え方です。
それに対して、「順張り」では底やテッペンに捉われずすべてがチャンスです。ちょっとぐらい間違えても修正がききます。
野球のホームランに例えればわかるはずです。
ホームランを打つのに何が必要か。もちろん技術です。
でもそれだけではありません。打席に立つことです。
三振の山をきずきつつバットを振るからこそ、ホームランが生まれます。
「順張り」を心がければ、相場の上下に敏感になります。
大底となればホームランを狙って大量購入もできますし、よくわからない相場であればヒット狙いの売買に徹することだってできます。
選球眼が徐々に養われます。
そしてなにより、「順張り」の良いところは、いつでも始められることです。
資産移動が必要となったタイミングが、相場の底でもテッペンでも、安心して運用を継続できます。
デメリットの前に知るべきこと