ちょうど8/11でまる2年です。「元」や「基準値」をキーワードでフィルタリングしたRSSニュースをチェックする日々が始まりました。
3日連続で人民元基準値が引き下げられ、世界中がパニックに陥りました。中国震源の金融危機は史上初とのことで、2015年夏は先行きが全く見えなくなりました。
この2年のうちに、私は株式投資では酷い火傷を負いました。チャイナ・ショックが元凶です。8/11日経新聞『中国、通貨防衛緩めず〜下落圧力に政策次々〜』を読んでシミジミしてしまいました。
元安誘導からはじまった
ドルや円のような自由変動相場制を、元は取っていません。元は中国人民銀行(中央銀行)が毎朝決める基準値の上下一定範囲内で動くルールとなっています。その基準値の決め方を2年前の8月、突如変えたのです。「前日基準値」ではなく「前日終値」から当日基準値を決める仕組みとなりました。基準値から上下して取引された翌日は、これまでより実勢レートに近い基準値が付けられるようになりました。中国の高度経済成長は頭打ちが鮮明になってきていたので、元安圧力が強まっていました。そんな最中、基準値算出方法を変更したのだから、元安が一気に加速しました。
ジンバブエでは元が法定通貨に
当時は輸出テコ入れに動いたとみられ、中国に避難が集中しました。中国側の言い分は、自由相場制への前進でした。国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)への元組み込みを目指していた時期であっただけに最もな理由でした。
SDRは国際的に力を見せ付ける上で大きなアピールとなります。アフリカのジンバブエが元を法定通貨に採用すると報道されたときは、驚きました。
2016年10月にSDRの構成通貨に元はなりました。目的は達成できました。
元高誘導に逆戻り
でも、SDRの構成通貨という目的達成以前から既に、自由相場への前進は後退の方向へ舵が切られていました。元売りや資本流出に歯止めが効かない状況になっていました。外貨準備高は減る一方となりました。元高誘導への政策が次々と打ち出されました。冒頭で触れた日経記事によれば、企業の外貨購入計画の提出を求めたり、大口海外M&A(合併・吸収)に事前審査を義務づけたりしました。
この5月の基準値設定ルールの再変更でようやく元高のトレンドが生まれました。
まとめ
中国ではこの秋に党大会を控えています。そこまでは、経済好調のキープに中国は躍起です。必要悪とも取れる中国の通貨防衛策に乗っかって、昨今の世界的な「ぬるま湯相場」は形成されているように感じます。
確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)のスイッチングの際にも、中国の動向をまだまだ気にして行きたいと思っています。