双循環で中国なぞめく、一帯一路で迷走?

中国包囲網が加速しています。

国慶節の連休のさなかの10/6、日本に集結して米豪印が外相会談を行いました。

ドイツでは先月9/2、インド・太平洋外交の指針(ガイドライン)を策定しています。
中国の対立勢力は「インド・太平洋」をキーワードに主導権を掴もうとしています。

これまで中国は「一帯一路」を掲げシルクロードの欧州にかけて勢力を伸ばしてきました。
ただ、日経新聞9/29『中国に幻滅した東欧 投資の「空手形」に不満』にあるように西欧との冷え込みばかりでなく東欧諸国との関係も上手くいっていないようです。中国から得た投資マネーの返済に苦しむ「債務の罠」に陥る小国の行方はやはり心配です。

あらたな中国の戦略「双循環」

5月の全人代(全国人民代表大会)にて「双循環」なる言葉が現れました。現状では言葉だけが独り歩きして謎めいたままです。
日経新聞10/6『次期5カ年計画、5.5%成長か 「双循環」 内需シフト示す』によれば、中国指導部がこの夏から頻繁に言及するようになり、経済政策のキーワードとされています。中国国内の識者のコメントによれば、内需と外需を好循環させて質の高い成長につなげる概念で、今後5~10年の戦略的プログラムとなり、5カ年計画の指針となり得ると指摘しています。また別の識者は、都市化や技術革新、供給網の強化などで国内開発に重点を置き、その反面で一帯一路の重要度が落ち、国家安全上の懸念がある対外投資も控えめになると予想しています。
5中全会(第19期中央委員会第5回全体会議)が10/26~29に開催され、2021~25年の5カ年計画と2035年までの長期計画が議論される見通しです。この場で「双循環」の狙いが明らかになるようです。




まとめ

「双循環」戦略で中国が少しばかり内向き指向になるのでしょうか。包囲網が強まったからといって、コロナ禍からの経済立て直しで先行する中国が他国に譲歩する戦略をとるとは考えにくいです。
米国では11/3大統領選でバイデン氏の勝利に現実味がでてきました。対中政策は変わるのでしょうか?この点では共和党から民主党に政権が移ったとしても強硬路線がとられるようです(日経新聞10/7『中国包囲網に執念』)。
米中を主軸としたパワーバランスが変わりつつあります。よくみていきたいとおもいます。

 

後日談10/16:

貧困国との双循環なのでしょうか??