マイナス金利に苦しめられてきた銀行。8/2〜3日経新聞連載記事『金融決算大手行』によると、5大銀行グループの4-6月期連結決算は23%の最終増益です。
銀行は復活したのか。
銀行は、心臓のようなもの。血液(お金)を体内末端まで循環させる役割を心臓は担っています。社会的役割の大きい銀行の動向は気掛かりです。
マイナス金利からの痛みは取れたのか
2016年1月マイナス金利導入直後は株式市場を急上昇させました。しかし、銀行への負担がクローズアップされると、マイナス金利は金融政策の失敗と受け止められるようになり株式市場は大きな停滞向かいました。
当記事によると、総資産は膨張し続けています。貯金の増大によるところが大きい。業績回復で手元資金が手厚くなった企業、将来の備えから高齢者などの個人資金が流入しているようです。
銀行の心臓としての機能がちゃんと働けば、集まった貯蓄は融資にまわり経済を元気にします。貯蓄増大は一見良いことにみえますが、銀行の体調次第です。23%もの最終増益で、銀行は心臓としての役割を取り戻したのか。どうもそうではないようです。
ではなぜ好決算なのか
本業の貸し出しのもうけは減少には歯止めが掛かりません。
これを補ったのが貸倒引当金など取引先の経営悪化に伴い必要となる与信関連費用の減少のようです。倒産件数が減少しており融資のリスクは減っていることに起因しています。
もう一つは株高。持ち合い解消などによる株式売却益が前年の4倍に達したとのことです。
与信関連費用減少と株式売却益。好決算はけっこうなことですが、これら二つが要因だとわかるとなんだか頼りないです。収益構造が変わったわけではありません。貯金の増加で総資産が膨張するだけで利益は追いつかず、総資産利益率(ROA)が悪化する構造は改善されていないようです。
まとめ
「貯蓄から投資へ」。銀行のためにあるフレーズのように当記事を読んで感じました。企業は手元資金を投資に振り向け、個人は貯蓄を資産形成にまわす必要があると、ずっと云われ続けてきました。
銀行のためなんておもうと、なんだかやる気は湧きませんが、儲けを実感できるようになると資産形成の取り組みは面白くなってきます。
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