9/24、米中は互いの国からの輸入品に対する関税を拡大しました。
記事1:米中貿易戦争、危険水域に 関税第3弾発動、輸入品5~7割対象
そしてわずか2日後の9/26、中国は11月からの関税引き下げを表明しました。
記事2:中国、関税再び下げ 11月に機械や紡績品など1585品目
中国は、関税の追加と引き下げをほぼ同時に公表しました。差し引きでどうなるの?よくわかりません。
2つの記事を比較して読むことでかえって、よくわからない数字に出くわしました。。
平均関税率
です。記事1に登場するグラフをみると中国の平均関税率は3%台半ばです。
一方、記事2では中国の平均関税率は現在9.8%で11月から7.5%に引き下げられるとのことです。
2つの記事はともに翌日朝刊1面に掲載されたものです。記事の主旨からして「平均関税率」は大事な数字のはずです。
「輸入金額に対する関税収入の割合」という説明が一応は記事1の中に登場します。でも記事同士で大きく食い違うので理解できなくストレスです。
ここでは記事に書かれていることありのまま記しておきます。
9/24:米中、関税第3弾発動(記事1)
米国、中国、日本、EUの平均関税率が棒グラフが載っています。
グラフの出所は「世界銀行、みずほ総合研究所の資料を基に作成。中国・日本・EUは2016年の加重平均で、報復関税を考慮していない」だそうです。
中国は3%台半ばで、日本は3%付近、EUは2%台半ばと読み取れます。
米国だけは積み上げとなっています。5段階となっています。
①トランプ政権が制裁関税を乱発するまで:1.5%程度
②対中関税第3弾発動後:3%台半ば
③追加関税が10%から25%にあがる19年1月以降:5%近辺
④中国全輸入品に関税拡大:8%近辺
⑤自動車に拡大:12%近辺
9/24時点は②です。つまり平均関税率で中国と同じ水準になったということが読み取れます。もともと(①)が他より低かったのだから、関税第3弾は妥当だといわんばかりのグラフです。
9/26:中国、関税引き下げ(記事2)
平均関税率は現在9.8%で引き下げ後9.8%です。7月にも既に下げており今年2回目の大規模な引き下げとなります。
当記事によれば、トランプ米大統領は中国の平均関税率が米国よりも高い点を「不公平だ」と批判しているとのことです。関税引き下げは批判をかわす狙いがあるようです。
自由貿易を守る姿勢をみせ、EUや日本が米国と結束して中国に圧力をかける事態を避けたい考えがあると当記事は述べています。
国内製造業などを支援する狙いもあるようです。
まとめ
7月の関税第2弾では、米中の輸入額の差がクローズアップされました。輸入額が中国より圧倒的に多い米国は、コントロールできる額が多いので優位に進められるとの認識が広まりました。発動直後、株式相場は元気づきました。
今回の関税第3弾は、平均関税率がクローズアップされるのかもしれません。こうしてみてきたように曖昧さを含んでいるようなので、マーケットはときどきで都合よく解釈できそうです。
今後勉強してわかることが出てきたらあらためてブログ記事にしたいとおもいます。