新型肺炎、五輪・パラ中止リスクはありのまま捉える

株式投資をしていると、目にしたくないリスクに遭遇します。。

「リスクを真正面から受け止める」、これは株式投資にとって大事な心構えです。

 

中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の拡散の真っただ中にいます。

被害に遭われた方はもとより渦中の中で奮闘する医療関係者、業界を問わずどの企業も大打撃で言葉を失います。

とかく報道がめまぐるしく変わります。人から人への感染はないんじゃなかったのか??

報道はあてにならないので、業務中デスクに向かっているときはマスクをして、可能なかぎりの予防をして悶々とする日々です。

 

新型肺炎の拡散がいつ収まるのか??やはり報道をあてにはできません。。

東京五輪の開幕は7/24です。その頃には新型肺炎への心配は払拭されるのでしょうか。

中止もささやかれる中、日々の報道をありのまま受け止め冷静を保とうと努めています。




株式相場はもはや「二番底」が心配

毎日スイッチングしながら株式相場への嗅覚を高めています。私がこの新型肺炎を知ったのは1/10です。

仕事始めの週で金曜日に当たる日でした。イランと米国の激化で大揺れの週でしたが、週後半には鎮静化がみえてきて1/9は日経平均535.11円高でやれやれ感が漂ってきてきた一方、成人の日を含む3連休中にあらたな展開があるかもと心配でした。1/14にWindows7のサポート終了を控えドタバタも心配な週末です。そんなタイミングで目にしたのが1/10日経朝刊『中国 新型ウイルスの肺炎』です。

株式投資をしてると日々さまざまなリスクに遭遇します。新型肺炎は「累乗でどんどん高まるリスク」として新味に感じ、自分の中では警戒感がどっと噴き出しました。我々は乗数の概念を知りつつもその取り扱いは苦手です。。かのアインシュタイン博士は「複利は人類最大の発明」と述べてます。天才物理学者のこの一言はどのようないきさつで発せられたかよく知りませんが、株式投資をしているとしばしば目にします。人類にとって複利は「発明」というよりは「苦手」と皮肉りたかったのではないかと、勝手に推察してます。

その日の日経平均始値は23,813.23円で高値圏、確定拠出年金の日本株投信を大量に売りました(定期預金型へスイッチング)。だいたいにして、米国利下げに端を発した昨年秋口からの株式相場の上昇は異様なムードで足踏みしてました。
毎晩1回していたツイート(現在はお休み)では、1/10はこんなつぶやきをしてます。

中国・武漢でこの新型肺炎が発生したのは昨年12/12です。それより約1ヵ月遅れの1/5、中国が公表しました。

日経新聞の朝刊記事は切り抜いておきました。振り返ればこの日前後が実質的に日本では初めての報道だったとおもっています。

報道が過熱しはじめたのが1/20週でしたから、一足早く今回の危機を察知できたことは株式投資の面では救われました。

「一番底」で狼狽せずに済みました。2月初めに、日本円にして18兆円の財政出動を中国人民銀行が発表すると株式市場は急回復しました。

とはいえ、「二番底」が心配です。実体経済への影響は明らかです。ひたひたと迫る五輪・パラリンピックの中止のリスクについては、実際にはそうならないとしても、株式相場の下押し圧力となりそうです。

二番底がやってくることを前提に身構えたいとおもいます。

後日談2/25:

天皇誕生日の振替休日にあたる2/24は、欧米での感染拡大を受けてNYダウは1,031.61ドル安と、大暴落です。それを受けての2/25日経平均は781.33円安に沈みました。まさに二番底を探る渦中です。。

後日談2/29:

日経平均は今週4営業日で2,243円安で21,142.96円、NYダウは2回に渡る1,000ドル超の下げに見舞われ3,583ドル安の25,409.36ドル安。一月の一番底が霞んでみえる。。現在は二番底というより一番底を探っている展開に変わってます。

 

そもそも五輪・パラは「ご祝儀相場」でない

前回のリオでは、ジカ熱の感染に悩まされました。スタジアムの建設は遅れ、のんびりムードのブラジルに開催が危ぶまれました。それに汚職による大統領弾劾で揺れる中、五輪開幕までブラジル株価指数ボベスペは下げり続けました。

開催当事国にとっては国威発揚の感が強く、株式市場は上昇するのではないかとの先入観が沸き立ってきます。でも、開催に向けた建設ラッシュは昨年秋にはピークを越えています。海外投資家からすれば、前回リオの株価軟調をなぞらえて、日本市場にネガティブな目線が注がれていても不思議ではありません。

歴史を振り返っても1964年の開催では「五輪不況」に苦しみました。

新型肺炎が仮に発生していなくても、五輪・パラリンピックにあやかった株式市場の「ご祝儀相場」は存在しないとおもっています。

 

まとめ

いまのところ、東京五輪・パラリンピックが中止なんてささやきはタブーです。

2/14日経新聞1面『大規模行事 世界で中止』は、2~3月の動向に留まり7月開催の東京五輪・パラリンピックにまでは触れていません。

ロンドンでの代替開催をロンドン市長選で候補者は叫んでいるようですが、2/21小池都知事は記者会見で不快感を示しています。2/22日経新聞『感染症病床「フル稼働」』では、3/15までの3週間、都が主催するイベントの原則延期・中止を都知事が述べたことは報道はするものの、ロンドン代替開催への都知事の言及は取り上げられていません。

新型肺炎はとにもかくにもいち早く収束してほしいところです。と同時に株式相場が憂えそうなニュースには敏感にそして冷静に受け止めていきたいとおもいます。

後日談2/29:

もはやタブーではなくなってます。

東京五輪開催は…IOC会長「臆測の炎に油は注がない」』によれば「開催判断が5月下旬」という発言が飛び出しています。中止をむやみに煽ってはいけないですが、期限を決めて判断することは大切です。

後日談3/24:

3/24東京五輪パラリンピックは、2021年夏まで延期となりました。