日銀の出口

東京日本橋の日銀の通用口がどこにあるのか。そんな話ではありません。

 

2016年11月の金融政策決定会合で日銀は、物価上昇2%の達成時期の見通しを「2017年度中」から「2018年ごろ」に先送りしています。

2013年4月に、「物価上昇2%安定を2年程度で達成」を目標に、量的金融緩和を開始しました。アベノミクスです。

その後、達成目標時期の見通しを5回に渡り変更、2016年だけでも3回に昇りました。

ただ、時期はルーズであっても、物価上昇2%安定を目標とすること自体は、今のところ日銀は堅持しています。

 

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金額=単価×数量。この単純な公式をすっとばして経済の話がなされることが、あまりに多い、そう感じています。

 

本日5/7の日経ヴェリタスでは『岐路に立つ中銀』と題し、日米欧の緩和政策の「出口」を取り上げています。

当記事には、日米欧の消費者物価指数(CPI)の月別推移が掲載されています。

 

2016年11月の金融政策決定会合の直後、米国ではトランプ大統領が誕生しています。

トランプ大統領誕生の11月、米国はCPI2%を突き抜けました。

欧州も11月を境にCPIの上昇が加速しました。現在では2%をやや下回る状況が1月以来続いています。

日本はというと、11月以降むしろ低下傾向です。2%どころか0%近くにまで鈍化しています。

 

先進国でのCPI2%目標はスタンダード。

長年デフレが続く日本にあっては、本来はこれでは不足のはずですが、2%とされています。

その2%でさえ、日本は四苦八しています。

 

庶民感覚では、2%なんて達成してほしくない。。それがホンネです。

どの国でも同じ感覚と思いきや、トランプ大統領誕生をきっかけに欧米はスルスルと物価が上がり、驚きです。

特に欧州は驚きです。つい1年ぐらい前は、「ドラギマジック」とか「黒田バズーカ」とかいって日欧は金融緩和合戦を繰り広げていたはずなのに、

欧州は既に出口がみえてきたようです。

 

ヴェリタス記事によれば、過去50年にあった5回の利上げはすべて、米国→欧州→日本の順であったとのことです。

前回でいえば、

米国:2004/6

欧州:2005/12

日本:2006/7

です。

米国に遅れて日本は2年余り後に利上げをしています。

 

5回の利上げは、回を重ねるごとに低水準からの利上げです。

低体温の経済を温めるのに、欧米でさえ開始までに時間がかかります。

6回目となる今回は、リーマンショックの2008年から数えて7年を過ぎた2015/12に、ようやく米国で利上げができました。

前回が遅れて2年余り後に日本が利上げできたからといって、世界的に低体温にあってはほとんど参考にはならないのかもしれません。

 

2017/4予定であった消費税10%へのアップは、2019/10に延期されています。再延期はないと安倍首相は表明しています。

そんなハードルがある中で、日銀が利上げの時期を探るのはとんでもなく難しいです。

 

先週5/1~5/2に掛けての1営業日半、長期金利の指標となる10年物国債の売買が成立しないという珍事が起きました。

量的金融緩和による国債の流動性枯渇は、待ったなしのところまで来ました。

 

確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)は、放置していれはいけません。

「株式、債券は長期では上がる」なんて甘い言葉を、少なくとも日本で運用する私たちは、信じないほうがよいとおもいます。

世の中の様子に目を配り、確定拠出年金のスイッチングをマメに行うのが、失敗はありつつも着実な運用だとおもいます。

 

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