残念だけど2018/10で終わり、低成長で実感乏しい景気拡大

最長記録の更新がかかった景気拡大が一年以上前の2018年10月に終わっていたと内閣府が7/30に認定しました。

なんだかしっくりきます。確定拠出年金の運用利回り(初回入金来運用利回り)が5%を超えていたのはそのときが最後でした。こんなツイートしました。


株式相場だけみているとコロナ暴落前の今年2月まで好調を維持したといえなくもないです。日経平均は2018年10月以来の2万4,000円台を回復していました。

でも回復のキッカケは金融緩和策によるところが露骨すぎました。2019年の半ばには3度にわたる米国政策金利の引下げによりムリクリ株式相場が押し上げられました。

 

昨年の後半はいわばプチバブルです。バブル感満載の相場に自分はアクセル踏むのを躊躇しました。そのおかげで3月の歴史的暴落はなんとか難を逃れたとおもっています。

そんな経緯から2018年秋以降は確定拠出年金の運用は自重気味でこれまで運用利回りは4%台です。




最長まであと一歩、成長率1.1%

日経新聞7/31『景気拡大 革新なき終幕』に戦後の主な景気拡大局面の成長率が図示されています。表におこしてみました。

名称 開始時期 成長率 期間
岩戸 1958/7 11.3% 42ヵ月
いざなぎ 1965/11 11.5% 57ヵ月
バブル 1986/12 5.3% 51ヵ月
いざなみ 2002/2 1.6% 73ヵ月
2012/12 1.1% 71ヵ月

(注)成長率は実質、年率

あと2ヵ月で最長記録でした。記録更新は物珍しさからみてみたいとおもっていましたが残念。。

でも表をみてあらためて感じるのは成長率の低さです。1.1%足らずでは一般の人にとっては景気の高揚感は感じられないですね。「景気拡大71ヵ月」といわれてもピンときません。

 

スマフォを持つのは今や当たり前だしAIの台頭で世の中は進歩を実感します。ただそれが「豊かさ」に繋がったかと問われるとYESと答えるのはためらわれます。

当記事によれば、同じ期間の他国の成長率は米国が2%台、英国が2%程度、ドイツが1%台後半、韓国が3%前半です。日本はそれを下回るわけですがどの国もおしなべて低成長です。

身の回りのモノが増えたり、道路や建物がドンドン建設され街の様相が変わるといった「豊かさ」はこれらのどの国でも既に実現していて、「デジタルな豊かさ」に焦点がシフトしています。モノへの欲求よりもスマフォをみてくつろぐ時間が大事だったりします。デジタルなる”モノ”は容易にコピーできて安価に消費されています。目下はコロナによる「巣籠もり消費」でこの傾向が一段と高まっているようにおもいます。

無形資産の価値を適切に評価されないなかで推定される成長率は、1900年代の景気拡大と比較するのはどれほどの意味があるのかとつい考え込んでしまいます。

まとめ

コロナ感染拡大で景気はどん底まで落ち込み、あらたな景気拡大局面に実は入ったのかもしれません。日経新聞7/31『景気底入れ・浮揚は 感染抑止・経済両立カギに』には5月が谷なんて見方が出ています。

より一層お金ジャブジャブにしての景気刺激は、これまでよりさらに低成長で実感が乏しくしかしながら長期にわたるのかもしれません。ピケティ氏が唱える「r>g」がおもいだされます。rは資本収益率でgは経済成長率。経済が低成長であれば資本収益の重みが際立ちます。
個人としては過去にも増して地道な資産形成が大事です。