相場はミズモノです。それをあらためて思い知らされる9月でした。
月初の米中追加関税合戦で停滞するとおもいきや、2万円台にあった日経平均は2万2,000円台にジャンプアップし9/26までその水準を保ちました。来月10月に控える消費税増税を前にして慎重になるとおもいきや、東証一部売買代金は活況の目安とされる2兆円を連日超えています。
市場には地殻変動が起きているのでしょうか?原因探しの日々です。
物言う株主が日本市場で要求強める動き
そんな最中の9/25、日経新聞1面トップは『物言う株主 日本に攻勢』です。
投資家が上場企業の発行済み株式数のうち5%超を取得した場合、大量保有報告書を財務局に提出する必要があります。その報告書の中の「重要提案行為」を目的とした取得を日本経済新聞社が集計したところ、2019年1~8月は139件と同期間で過去最高になったとのことです。
物言う株主の要求は2000年代は株主還元が多かったが、近年では経営戦略や企業統治などテーマに広がりがみられると当記事は云います。そして、物言う株主の活動が活発化する背景には、PBR(株価純資産倍率)が米国で約3倍に対して日本株が1倍台という割安感があると当記事はみています。
物言う株主には、米サード・ポイントや香港オアシスの名が挙がっています。
米サード・ポイントはソニーに半導体分離要求を出しています。9/18『半導体の分離・上場拒否』によればソニー経営サイドとしては半導体は中核事業なので分離はしないと拒否しています。一方、香港オアシスはジャパンディスプレイ(JDI)への出資で揉めています。9/27『JDI支援見送り』によれば再建案は白紙にもどり、JDIはさらに追い込まれています。
まとめ
個々の事例をみると日本株の割安さと物言う株主との因果関係は見え辛いです。
目線を資本主義の本場米国に移すと、株主重視のより戻しの動きも出ています。8/21『米企業「株主第一」に転機』によれば、JPモルガン、アマゾン、GMといった米国主要企業の経営者団体が「株主第一主義」を見直すとの宣言をまとめたとのことです。株主還元を強化する一方、労働分配率が低迷する状況を見過ごせなくなってきているようです。9/25『米中摩擦、資本市場飛び火』によれば、対中強硬派の議員が米公的年金に中国株投資を見合わせるように要請しています。
物言う株主、主要企業の経営者、公的年金。。立場は違えどこうした巨人たちの勢いに押されています。我々のような個人投資家が主導権を握る場面は一向にみえてきません。
後日談12/20:
日経新聞11/18『世界経済フォーラム総裁、株主第一主義の見直しに理解』によれば、株主第一主義の見直しは来年2020/01のダボス会議のテーマの一つとなるようです。