予備選を終え、いよいよ11/6の決戦が迫る米中間選挙。
今年の株式相場は、米国でのこの選挙の行方を気に掛けながら進んできました。
上下両院での過半数維持は相当なハードル
そもそもとして、現職大統領が率いる政党が不利とされています。
日経ヴェリタス9/16号『政治の秋 実り育む』によれば、戦後までさかのぼっても現職大統領の政党が議席を伸ばしたのは下院で2回、上院で4回にとどまっています。
現在の両院の議席は、
上院:民主党49、共和党51
下院:民主党193、共和党236、欠員6
です。今回の中間選挙で上院は35議席、下院は全議席が改選されます。
特に上院の差はわずか2議席です。逆転があっても不思議はありません。
前オバマ大統領においても、1期目の中間選挙で敗北を期しています。下院で63議席ほど失って過半数を維持できませんでした。
当ヴェリタス記事によれば、中間選挙の論点は以下のようです。
共和党:
・貿易赤字の削減を最優先
・不法移民の取締まりを強化
・大型減税の恒久化
・オバマケアの完全廃止
・親イスラエルを鮮明に
民主党:
・貿易戦争に反対
・不法移民の強制送還に反対
・富裕層に恩恵が偏る減税に反対
・ヘルスケアの充実を
・イラン核合意への復帰も
世論調査
支持率の低迷ばかり伝えられるトランプ大統領のもとでは、1議席でも伸ばせられればサプライズなのかもしれません。
ただ、9/20付の以下のような記事をみていると、支持率は上向きの気配もみられます。
世論調査:米国人の46%がトランプ大統領の活動を認めている 支持率上昇か?
米国民でもない私などは、株式市場の動向や経済ニュースからの米国の情勢を判断しがちです。7/6付の以下の記事をみていると、有権者の関心事とは一致しないと感じさせられます。
米中間選挙、有権者の最大関心事は移民問題 2位に経済=世論調査
移民問題では6月、親子が引き離されて収容されるケースが問題化し、歴代と現職大統領のファーストレディまでもが避難声明を出すという異例の事態が起きていたことを記憶しています。この記事では、親子引き離しの問題に触れ、移民問題が最大の関心事となっていると述べています(ただし記事内の数字をみると、関心が高いのは共和党支持者で、民主党支持者は移民問題への関心は経済より低いとなっています)。
まとめ
2016年の大統領選で当選したこと自体がサプライズでした。逆に世論調査の信頼性が疑われる始末でした。
政権と議会多数派が異なる「ねじれ」に陥る結果は覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。そうでなければ、またもやビッグ・サプライズで株式相場は大きく上昇するのかもしれません。