良い投資とは退屈なもの、毎日スイッチングで積立に味付け

前人未踏の通算4,367安打をはなったイチローは誰もが認める天才です。
イチローに近づくにはどうすればよいのでしょうか?それはムリな相談です、そもそも打席に立っていないからです。。

 

かたや株式投資の世界では、バッターボックスに入るのは容易です。
国や金融業界は「貯蓄から投資へ」をスローガンに掲げ、NISAにiDeCoにと、金融知識がない一般人をいざなうために投資環境の整備に躍起です。
もはやネット証券が当たり前となったこの世の中では思い立てば直ぐに口座を開きはじめられます。

 

株式投資をはじめるならまずは『四季報』、ひと昔前であればそう考える人が多いかとおもいます。
私もかつてその一人でしたが挫折しました。。難易度が高い部類の投資法です。
四季報を読み込んで企業業績から値踏みしても個別銘柄は思うように動いてくれません。日々の値動きは株式市場全体の動きに大きく左右されます。
今やETF(上場投資信託)が全盛の時代です。たとえば東証株価指数(TOPIX)に連動したETFを買うということは、東証一部に上場している全銘柄をまとめ買いするのと同じです。個々の銘柄の良し悪しが均されるので個別銘柄を買うよりローリスク・ローリターンです。初心者にはとっつきやすい金融商品が普及しています。

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積立投資は退屈

投資環境が整備され初心者にとっつきやすい金融商品が出回ってきても、はじめの一歩踏み出すのは躊躇しがちです。
一般の人にとっては強制力がはたらかないとなかなか始められません。勤め先では確定拠出年金(401k)を2005年から導入しているので、私はわけもわからず強制的に加入させられました。

御多分に漏れず金融知識ゼロの私も2013年まで長らく401kをほったらかしでした。確定給付年金(DB)から移行してのスタートでしたので、2008年リーマンショックによって酷い損失を受けました。年2回送られてくる通知書をみることなく捨てていました。

毎月の掛金を株式投信にただただ拠出するだけの私はファイナンシャルプランナーなどの専門家からみれば優等生です。金融関係者にしてみれば、たいくつに積立てしてくれていいカモです。
「貯蓄から投資へ」をスローガンに踊らされているだけではないか?気持ち悪さをどこか感じていました。

 

退屈に味付け

2013年に届いた通知書をみて驚きました。大幅な黒字に転じていたのです。

「この黒字を維持したい!」強くそう感じました。けっして「積立てしていてよかった」とは思わなかったです。意志をもってやってきたわけではないので妥当性がよくわかりません。まずは興味は持ち続けようと証券口座を開き株式投資をはじめ日経新聞を読むようになりました。

しかし前述のとおり四季報を読んで個別株を物色したりさらには信用取引に手を染めて瞬く間に資金は底をつきました。。そんななかでも確定拠出年金は着実に伸びていきました。積立てのよさを実感しました。ただそれでも積立てを無条件に受け入れる気にはなれませんでした。

自ら売買して手ごたえを感じたい。無味乾燥な積立てに味付けできないか?という発想で生まれたのがこのブログのタイトルにしている『確定拠出年金は毎日スイッチング』です。

売り:株式投信→定期預金

買い:定期預金→株式投信

とスイッチングすれば株式の売買と変わりありません。相場の展開がよくわからないときには「売り」と「買い」の量を同等にして様子見です。こうして気兼ねなく売買できるのは、確定拠出年金が制度上の特権で売買手数料がかからないからです。

ヒント・ノウハウ

 

まとめ

良い投資とは退屈なもの。著名投資家ジョージ・ソロス氏の名言です。
個別株の売買のような派手さがなく積立ては退屈です。

このコロナ禍でも株式市場は上昇が続き、米大統領選では波乱の予想に反して一段高で日経平均株価は29年ぶりの高値を付けています。
先行きがわからない相場の恩恵を受けられるのは積立てを続けてきたからこそです。

知識がなくてもまずは始めることが大切です。

そして、2013年に通知書をみたときの驚きとは違い、積立てに一味加え手間ひまかけたという実感が加わり嬉しいです。これからも毎日スイッチングを続けます。