3/27週振返り:参院選とのジレンマ、ずぼずぼ連続指値オペで円安助長

10年国債を利回り0.25%で無制限に買い入れる「指値オペ」の行方を見守る一週間でした。
3/28に実施したのち翌日以降も連続で行うと表明すると、円安を助長するとの見方からドル円が瞬間的に125円台を突き抜けました。指値オペにより金利が下がっても日米金利差が広がるのでその思惑から円が売られるからです。その後は121円台までより戻したものの122円台で週末を迎えました。

125円といえば「黒田ライン」です。アベノミクス最中の2015年、日銀黒田総裁から円安牽制と受け止められる発言が飛び出したのがこの水準でした。しかし現在はまだまだ円安容認の様相です。3/30には黒田総裁が官邸を訪れ岸田首相と会談していますので、金融政策の見直しを求められたかにもみえますが頑なです。7月参院選ではインフレが足を引っ張りかねない岸田首相としては、原油をはじめとする輸入品の高騰となる円安は受け入れがたい状況です。

そうはいっても輸入品を除いた物価を示すGDPデフレーターが下がり続け昨年10-12月期まで4期連続マイナスです。日銀側とすれば金利を上げることにより投資が抑制され景気が後退する事態を警戒しているはずです。インフレとともにGDPデフレーターが上昇している米国、欧米諸国とは事情が異なります。日本は既にスタグフレーションに入っているのかもしれません。。

ドル円の動向はお茶の間のテレビでも馴染みがあります。日銀の政策が筋が通っていたとしても、ドル円=悪のイメージが国民感情に根付いてきた状況にあっては政府側との見解のズレが芽生えているようにもみえます。

まさにジレンマです。。日銀がイールドカーブコントロールを死守ならば政府主導による為替介入か?為替を巡る異例の対応で緊迫するシーンが断続的にやってきそうです。

 

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