来年2月に任期満了を迎えるFRBイエレン議長の後任指名がにわかに話題となっています。今月10月のうちに後任を決めると、トランプ大統領は表明しています。ちょっと早すぎるのではないか、そんな雰囲気の中での表明でしたので、大統領の剛腕アビールにFRBが利用されているのではないか懸念されています。
大統領就任前のトランプ氏は、共和党員でないイエレン氏は解任すると豪語していました。イエレン氏が再任されない可能性は大いにあります。後任劇は、マーケットに波乱を生みそうです。
イエレン氏再任ならマーケットは安堵か
これまで実績を生んでいないトランプ大統領は、FRB議長後任人事は、上手くやればイメージアップの好材料になるはずです。
日経新聞10/6フィナンシャル・タイムズ紙転載記事『イエレン氏続投が最善〜FRB議長、任期満了近づく〜』では、続投支持です。
・・どんなに税制をいじり回すよりも米経済の長期的健全性に資する決断を下せる機会を迎えている
ウォーシュ元FRB理事、コーン国家経済会議委員長、パウエル現FRB理事らの指名が取り沙汰されています。ウォーシュ氏が持つインフレ観、コーン氏とパウエル氏がドット・フランク法による規制緩和の一部撤回の主張に、当記事は懸念を示しています。
難しいことはよくわかりませんが、リーマンショク後の金融緩和を収束の方向に舵を切っているのが今のFRBです。緩やかながら利上げを進め、保有資産縮小も9月FOMCで表明しました。これが既定路線でマーケットは動いています。後任人事によって路線変更が強まれば、マーケットは大きく揺さぶられそうです。
外堀は埋められていく
早くから辞任を明らかにしてきたフィッシャー副議長の後任が10/5、クオールズ元財務次官に決まりました。
日経新聞10/6『FRB副議長を承認』によれば、金融危機後に強化した規制の緩和をトランプ政権は目指しており、クオールズ氏はその主導役となるといいます。
FRBは含めて7人の理事ポストがあり、これまで3人分が空席でした。クオールズ氏が入って2つになるが、フィッシャー氏が抜けるので空席3つの状態が続きます。
イエレン議長再任だとしても、トランプ色の強いメンバーで外堀が埋められようとしている状況です。
まとめ
トランプ大統領が打ち出した法人税35→20%に落とすことを柱とした大型減税案への期待で、米国株式市場は目下勢いを増しています。イエレン議長が進めてきた金融緩和縮小の路線では、大型減税はやりづらいのかもしれません。
確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)のスイッチングを行う上でも、米国株式市場の動きは気掛かりです。