個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者が、今年2017年1月の制度改定により、伸びています。
今週号3/12版の日経ヴェリタスに、『iDeCo争奪、ネット証券好発進』と題した記事が載っています。
「新たな加入者獲得に向けて、どこの金融機関が主導権を握るかに、注目が集まっている」そうです。
ネット証券が、現状では有利に争奪戦を進めているようです。
店舗型の金融機関より、ネット証券が選ばれやすい理由は、手数料の安さにある。これは一つの理由のようです。
この記事では、別の理由があるのだと云います。
店舗を持つ銀行や証券会社に対する規制です。ちょっと酷な規制です。
店舗の営業担当が、「親切心で加入者の相談に乗ると、営業と運用管理業務の兼任を禁じた規定に抵触しかねない」のだそうです。コールセンターかパンフレットを渡すぐらいの営業しかできないようです。
なげかわしい。加入者増加が叫ばれている中で、こんな規制が増加を阻害しているとは。
30代、40代であればインターネットが当たり前の社会。確定拠出年金に加入したと思い立った意識の高い人は、店舗に出向いて説明を受けて加入するというよりは、自らインターネットで情報を収集して加入の判断をする傾向にあるのかもしれません。
でも、インターネットを自由に操る若い世代でも、金融の知識が乏しく初心者であれば、人のナマの声も聴いて判断したいものです。店舗で実質的なアドバイスが受けられないのであれば、頼るすべはインターネットだけです。
金融機関にとっての、確定拠出年金(401k,iDeco,DC)のメリットってなんなんでしょうね。
手数料収入が少ないので、短期的なメリットはほとんどないでしょう。
この年金制度が普及することで、一般の人が投資的な行為への理解が深まり、その結果、株式・投資信託・FXなどの購入に誘導できる可能性に、金融機関側は掛けているのでしょう。
この年金制度がほとんど知られていない現状では、どんどん加入者争奪戦が活性してもらいたいです。