原油が下がり続けてます。
石油輸出国機構(OPEC)の協調減産を背景に1バレル50ドル台を推移していたWTIですが、6月になって下降が鮮明になってきました。私の手元のチャートでは42ドル台です。
2014年7月あたりは100ドルをつけていました。リーマンショックで痛んだ米国経済復活のためドル安を世界は容認してきました。そんな中、中国には世界が過度な成長期待が掛けました。中国は4兆元(約52兆円)の財政出動を行いました。
ドル安による資源価格高騰と、ムリやり作った経済バブルで、WTIは100ドルを突破したわけです。
ぬるま湯は長くは続きません。中国国家主席となった習近平は2014年、「新常態(ニューノーマル)」を唱えました。成長のペースを緩めました。米国にしても金融恐慌からの回復過程でドル高が進行しました。今では、トランプ大統領が「ドルは高すぎる」とのたまうぐらいで、情勢は大きく様変わりしました。
2015年後半、そんな情勢に耐えきれなくなった中国株の暴落が始まりました。中国がトリガーとなった初の世界的金融危機と騒がれました。
また、イランの経済制裁解除の決定により、原油の供給過剰が意識されはじめ、原油相場に大きなショックをあたえました。
後半年足らずで一気にWTIは50ドル台へ急落。半値にになってしまいました。
それだけでは終わりません。
2016年早々、中国製造業PMI発表での減速再確認と、サウジアラビアとイランの国交断絶というビッグサプライズが勃発。原油はさらに半減です。20ドル台をつけました。
痛かった。。私はこの頃、信用取引で原油ETFを空売りにハマってました。今となっては、世の中で起こっていた出来事を淡々と振り返えることができます。
でも、取引している渦中では、いつ急転するのかヒヤヒヤものです。下げがキツければ、リバウドは大きい。
最初は好調でした。しかし一旦しくじると、ドロ沼です。
2015年後半の急落は、実は10月以降は一時的に上昇に転じています。リーマンショック以降初の米利上げへとマーケットは舵を切り、原油も回復の方向に見えました。でもそうではなかった。
12月の米利上げに世界経済は耐えられなかった。先にも述べたとおり、正月早々、暴落です。
巨大な波に、資金力のない私は翻弄させられました。2016年2月頃には、資金は底をつきました。追い証の嵐です。
耐えるしかありませんでした。春先、原油が回復傾向に向かった頃、なんとか精算できました。
確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)はスイッチング費用ゼロで運用できます。
信用取引で毎日むしり取られる手数料に悩まされ続ける中で、スイッチング費用ゼロの有難味を肌身で感じました。
現在の原油は、OPECの口先介入の効力が弱まっている感があります。
ナイジェリアとリビアの復活、シェールオイルの台頭で無策であれば供給過剰に陥ります。
米国は、5月下旬から9月にかけてのドライブシーズンの真っただ中。例年ガソリン需要が増加する時期ですが、米消費者の懐しだいです。