恐るべし半導体、車載用が不足

年末に2万7,000円を超えたばかりの日経平均は、年初1週目にして早くも30年ぶりとなる2万8,000円を突破しました。
日経新聞1/9『海外指数も軒並み高値』によれば、米欧中のみならずブラジル、インドの主要株価指数も2020年末比で1~2%上昇しました。韓国KOSPIに至っては10%近くの上昇幅です。

1/6に行われたジョージア州上院選での民主党勝利が世界的な株式相場の上昇の引き金となりました。この勝利によりトリプルブルー(大統領と上院、下院がすべて民主)が実現したことで政権運営がやりやすくなり財政拡大が進むだろうとの思惑からでした。やはり財政出動なのか…実体経済から手ごたえが得られる材料はないものでしょうか?




韓国KOSPIが3000突破

冒頭でもふれたように韓国KOPSIは年初来10%の上昇で、1/7に史上初の3000を突破しました。サムスン電子とSKハイニックスで時価総額の1/4を占めるといわれる株価指数の急騰とあって半導体の活況が伺えます。
1/9日経新聞『サムスン、半導体に3兆円』によればサムスン電子の20年通期の営業利益が29%増です。半導体受託生産拡大をにらみ投資を3兆円積み増します。

 

車載用半導体が不足

年初の1週目の日経新聞紙面で驚いたのは「半導体不足」です。1/8にホンダ、1/9には日産自動車が半導体の不足を受けて減産に踏み切るとの報道が相次ぎました。
日経新聞1/9『車生産、半導体不足で混乱』によればスマートフォン向けなどの需要が旺盛で自動車業界に回す余裕が半導体業界でなくなっているためです。独フォルクスワーゲンも然りです。トヨタ自動車は2021年の生産計画を確定できず、部品会社に対して「暫定値」しか示せない異例の事態とのことです。
新型コロナによる巣ごもり需要などでパソコンやスマフォ向けの調達が増えています。半導体業界には複数の業態から異なる仕様の製品発注が集中し、応じきれなくなっています。
車載半導体の正常化には半年近くかかる可能性があるとの声もあるようです。
自動車の生産が昨年前半が止まっていたことが響いています。その間もビジネスを広げたスマホや携帯基地局などのハイテク業界に半導体の買い負けてる側面があるようです。

まとめ

自動車業界にとっては冷や水となる一方で半導体の需要の強さが露わとなりました。先週は米10年債利回りが節目の1%を超え、今後の株式相場は金利が重荷になりそうですが、半導体を筆頭に実需の高まりによって株式相場全体としては2021年も上昇を続けてほしいところです。