ウィーワーク日本上陸、都心シェアオフィスの波

株式相場が冴えない中にあってREITは堅調です。なかでもオフィスが堅調は際立っています。

 

都心のオフィス需要は衰えをみせません。オフィス仲介の三鬼商事が毎月公表している東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は1.82%で、記録が残る2002年以来最低とのことです。
オフィス平均賃料は61ヶ月連続で上昇です。3.3平米あたりの平均賃料が2万1000円台を1月に突破しました。
日経新聞2/7:1月の東京都心オフィス空室率1.82%に低下 賃料61カ月連続上昇

オフィス需要に関してここのところ目につくのが「シェアオフィス」です。




都心シェアオフィス

シェアオフィスといえば、ノマド的なビジネスの交流の場。互いに知らない起業家らが大きなテーブルに席を並べて仕事をし、自由なやり取りの中から商談が成立したり新たなビジネスが生まれる、そんなイメージがまず浮かびます。「コワーキングスペース」という言葉はだいぶ浸透してきました。

 

でも、アメニティが充実した交流の場というテーマ性だけで、不動産業を動かす大きなムーブメントになるのでしょうか?シェアオフィスの紹介サイトを見ていると、「地の利」を生かしたビジネスである面がみえてきます。

・あなたの会社住所としてビジネス一等地の住所を登記(サーブコープ)

・銀行所有ビルなら自社ホームページや名刺に記載する住所に銀行名が入るため、見る側に強い印象を与える(ナレッジソサエティ)

シェアオフィスといっても法人登記できるかどうかで、利用者のタイプはずいぶん違います。交流だけを求めている人たちであれば法人登記は必要としません。でも、もともと都心の賃貸ビルでやってきた人たちにとっては、安くてキレイでブランド化されたビルへの転居は大きなメリットを感じます。さらには、自社名で電話応対をする専任受付がつけられたり、ビル内でのビジネス勉強会を講師を招いて他社と共同で実施できるといったシェアオフィスならではのメリットも享受できます。

個人事業主でなくても、大手企業がサテライトスペースとして都心シェアオフィスを使ってみようという動きは大きな需要となるはずです。


ぱそたく

ウィーワークが日本上陸

米国のシェアオフィス最大手『ウィーワーク(WeWork)』が日本での事業を昨年2018年より開始しました。東京銀座の複合商業施設「ギンザシックス 」に拠点を置いたことで話題になりました。

日経新聞1/27『オフィス続々 TOKYO大変貌 渋谷、虎ノ門… 東京ドーム68個分 働き方改革追い風』によれば、2018年にウィーワークが都心の大型ビルで開いた拠点の総面積は約3万4000平方メートルです。これは、都心にあった大型ビルの空室の2割弱を埋める規模であったとのことです。

ソフトバンクはビジョンファンド(SVF)を使ってウィーワークに20億ドルを追加出資することを決めています(日経新聞1/8『ソフトバンク、米ウィーワークに2200億円追加出資』)。当初予定の160億ドルからは縮小していますが、それでも未上場の企業に対して大盤振る舞いです。

 

日本の不動産大手も、三菱地所が「FINOLAB(フィノラボ)」、東京建物 が「+OURS(プラスアワーズ)」、三井不動産 が「ワークスタイリング」といったブランドで展開しています。米ウィーワークは、不動産仲介業にも手を伸ばそうとしているようで、日本の不動産業にとってはビルをレンタルしてくれるという点では顧客であっても今後はライバルとなる存在のようです。

 

後日談3/10)

実際に見学させてもらいました。

+OURSのコワーキングスペースです。夜遅く(19時頃)でしたが、商談で熱心に話す人やパソコンに向かっている人が集っていました。

サーブコープの待合スペースです。お茶を出されて説明までいただき恐縮しました。

まとめ

オフィス平均賃料はリーマンショック前の2万3000円台付近までは伸び代があるといった安心材料はあるようです。一方で、緩和マネーが流れ込んでいる面も軽視できないので、オフィス需要の要因はバブルでないか深掘りして捉えたいところです。東京であっても都心でない勤務先でサラリーマンとして働いている身ではなかなかイメージしずらいですが、都心シェアオフィスの波は一過性のトレンドではどうもなさそうです。