私の勤め先は企業型確定拠出年金(401k)を2005年から導入しています。日本で401kが誕生したのが2001年なので、黎明期ともいえる時期です。このタイミングで導入の決断は率直にすごいことです。
私の七転び八起き
リーマンショックが発生した2008年頃、ある会社の人事課の方とお付き合いがありました。あるとき雑談の中で自社が401kを導入されたことを何気に話すと、顔をキリッとして「うちでは絶対に導入しない」と言い放たれました。そのときの気まずさを今でもよく覚えています。当時の私は、投資関連の知識は全くなく返す言葉がみつかりませんでした。。
2005年に加入の際、確定給付年金(DB)から移行したので株式連動商品を高値で購入しています。そのため長らく大赤字でした。年2回郵送されてくる通知書はみないで破り捨てることもしばしばでした。ところが2013年、ふと通知書をみると黒字に転換しているではありませんか。
黒字を維持したい!
このとき感じた強い気持ちが今に続く原動力となっています。証券口座を作って株式投資をはじめ、日経新聞を購読するようになりました。関心が持続していれば知識が深まり確定拠出年金にも良い効果があると考えました。かの著名な投資家バフェット氏は、「男のヒゲは剃っても伸びる」とシンプルな理由でジレット社に投資して成功しています。同じく「男の毛は抜ける」と意気込んでアデランス株を買いました。でも今では上場廃止です。銘柄選定の知識があまりに不足していました。信用取引に手を出したりもして、みるみるうちに資金を失いました。。
「毎日スイッチング」なんて発想が出てきたのも、株式投資の資金が底をついてきたからです。元本確保型商品(定期預金)と株式連動商品との間でスイッチングするのは、タイムリーに売買できないことを除けば株式の売買と本質的には同じです。手数料が掛からない分、むしろお得です。
手数料がかからないということは、無尽蔵に売買できるということでもあります。相場の良し悪しによらず、スイッチングの指図を毎日出し続けています。殆どの日は売り買いがほぼ同じになるように指図を出しています。相場の底とおもえば買いを増やし、天井に近づけば売りを増やします。
一手間かかる毎日スイッチングは、国内株式連動商品に限定しています。他の商品は定期定額購入(ドルコスト平均法による購入)です。確定拠出年金は、本来の目的である年金積立てとして活用すると同時に、株式市場の相場感を通じて社会・経済を学ぶための勉強ツールとして活用しています。
毎日スイッチングによって得たノウハウや社会・経済の動きを発信してみたいと思うようになり、2017年よりブログをはじめました。次いではじめたツイッターでは、家族の身近なこともつぶやいています。
おはようございます!
週末は家族でお花見しました〜
今週もよろしくお願いします。 pic.twitter.com/qzyeFL6B3C— KabSuke@ダウあみだぶちゅ (@kab_suke) April 7, 2019
確定拠出年金の話となるととかく重苦しいトーンの情報が氾濫していますが、私の中ではすっかり生活の一部として溶け込んでいます。
5年前には経済に全く無知の私でしたが、こうしたアクティビティを通じて、2017年には日経新聞社が主催する経済知力を測定するテスト(日経TEST)にて789の高スコアを得るに至りました。2018年はスコアが下がってしまったので復活を目指しているところです。興味は尽きません。
我が社の運用利回りは4%超
このたび私の勤め先でもマッチング拠出を導入することとなりました。企業からの掛け金と同額までを加入者自身が掛け金を追加(ただし合わせて月額55,000円が上限)できる制度です。加入者の掛け金は全額所得控除が受けられるので税制面でもお得です。
確定拠出年金は受取り時に税金が掛かるとはいえ、現行では70歳までは受取り開始を遅らせることができます。受取り開始までの増益との見合いで税金分の負担は検討すべきです。運用に興味がなければ増益どころか減益の不安が募るでしょうから、むしろ税負担に目が向くかもしれません。私の場合は、先述のように現役時代を含めて勉強ツールとしてフル活用していて増益にも手応えを感じているので、マッチング拠出の導入はありがたい話です。
さて、マッチング拠出の導入にあたって社内では説明会がありました。合わせて我が社の運用状況を聞くことがができました。
なんと社員平均の運用利回り(初回入金来運用利回り)は4%を超えています!
我が社と同じ運営管理機関での平均は2%台とのことです。
としてブログ記事にしているとおり、株式相場に心地よい風が適温(ゴルディロックス)であった状況下でも加入者全体の平均は3%台です。
4%台は驚異的なパフォーマンスです。
社員の運用利回りの最大が10%強、最小がマイナス1%弱でした。
社員の加入年数との相関がわかればよいのですが、それは残念ながら公開されませんでした。確定拠出年金についてときどき社員と話しますが、そんな情報も織り交ぜて考えてみるとリーマンショックの頃入社した社員は10%を超えていても不思議ではありません。直近に入社した社員はわずかなマイナスは致し方ないところです。
リーマンショック前に入社した人は、大きな地獄をみたわけですがそれでもこの10年の上昇相場で株価は十分に回復しました。確定拠出年金の黎明期から導入している企業が、運用利回りで一歩リードしていても不思議ではないです。我が社の事例が、長期投資の有用性の一つの根拠になればと思います。
まとめ
2005年からはじめた私の運用利回り(初回入金来運用利回り)は足元4.34%です。こんなにパワフルに運用しているのに会社の平均レンジに収まっていると知り、ちょっと残念な思いにもなりました。。
ただ逆に言えば、こんなにガチャガチャいじっても無事だったわけでホッとしました。累積で1億円は軽く上回るスイッチングをしてきましたが大丈夫です。1億円売買しても手数料はゼロ。その上、単なるほったらかしの積立では得られない社会・経済に対する知力を養うことができました。
あと、運用利回りは高い水準にあるほどブレが大きいことも忘れないようにしなければなりません。私の場合は、昨年の10月までは運用利回りが5%を超えていました。世界的な株価暴落の影響に揺さぶられて、12月には3%台に落ち込みました。運用利回りのブレに慌てないことが大切です。