ドルコスト平均法では、定期的に「金額」を一定として拠出する手法です。
対して、定期的に「口数」を一定として拠出する手法を、定量購入法とよびます。
「定量購入法」と比較して、ドルコスト平均法のメリットを考えてみましょう。
前回記事では、5ヵ月たった時点で、合計5万円を使って43,750口を取得しました。
あなたは、あらためて5ヵ月、投資をすることとしました。前回と同じく終了時に43,750口に取得できている状態にしたいと考えています。
そこで、あなたは、43,750口を5ヵ月間均等に分割して拠出することにしました。単価は、前回記事と同じ推移を辿ったとします。
1ヵ月目:1.0円、8,750口
2ヵ月目:0.8円、8,750口
3ヵ月目:1.6円、8,750口
4ヵ月目:2.0円、8,750口
5ヵ月目:1.0円、8,750口
結果はどうでしょう。
合計5.6万円掛かることになります。残念ながら、同じ口数を手にするのに、6千円余分に拠出するはめになってしまいました。
前回記事では、平均単価1.14円でした。対して今回は、平均単価1.28円で、割高です。
ただ、何か腑に落ちないです。
口数を一定にして拠出するといった発想を、そもそも持っていない人に対して、「定量購入法」を持ち出してきて比較されても困ってしまいます。
ではこの結果から、何か教訓が得られるのでしょうか。口数が一定なので、口数を除いた推移をみてみましょう。
1ヵ月目:1.0円
2ヵ月目:0.8円
3ヵ月目:1.6円
4ヵ月目:2.0円
5ヵ月目:1.0円
これをみて、つい「平均単価1.28円で推移した相場であった」と解釈したくなります。
実際には、たとえば、「2ヵ月目が安い」、「4ヵ月目から5か月目にかけて下落した」といった個別の理由があるはずなのに、
「平均」という強烈な概念で単純化してしまいがちです。
あなたは、「相場を当てる」自信はなくても、「相場を当てたい」とは願っています。
悲しき人間の嵯峨です。「平均単価1.28円で推移する」と、都合よく相場を解釈して運用してしまいがちです。
結果として、相場など気にせず定額で拠出するドルコスト平均法のほうが、割安な平均単価1.14円で、同じ口数を獲得できたわけです。
「定量購入法」を使う発想がない人でも、「平均」に振り回されてしまうことはしばしばです。
しかし、ドルコストと名の付く「平均」だと割安にできたわけです。
では、ドルコスト平均法だとなぜ割安となるのでしょうか。
次回お話しします。