確定拠出年金への自動化・AI導入の流れには警戒の目でいつも眺めています。「毎日スイッチング」をこのブログで唱えているのは、ほったらかし運用への警戒心からです。
究極のほったらかし運用商品「ターゲット・イヤー・ファンド」は、日本でもかなり認知度が高まってきました。
デフォルト商品という考え方
株式や債券の知識がない一般の人にとって、自分が働いて手にしたお金が減ってしまうリスクは堪え難いです。感覚的に受け入れられません。私もかつてそうでした。
私の確定拠出年金は企業型(401k)なので、強制加入です。株式や債券に関心のなかった私は、加入時に商品を選んだ後、随分長い間ほったらかしてきました。
加入時に商品を選ぶ必要がこの年金制度にはあります。でも、商品選択をしない、あるいは拒否する加入者があまりに多く、厚生労働省と金融業界は問題視しています。
加入時に商品選択しなかった加入者には、強制的に選ばせてしまう「デフォルト商品」の法整備への議論が専門家の間では活発になっています。
ターゲット・イヤー・ファンド
確定拠出年金の運用で強調されるのが「分散投資」です。株式や債券、現金をバランスよく保有すればリスクが減らせるという考え方です。
この考え方に、時間軸の概念を取り入れたのが「ターゲット・イヤー・ファンド」です。分散投資を、経年変化とともに自動で変えてくれる商品です。若い頃は株式比率を高めリスクを高めますが、歳を追うごとに債券比率を高めリスクを減らす商品です。
英国の確定拠出年金では、ターゲット・イヤー・ファンドがデフォルト商品として採用されています。日本でも商品ラインアップに登場されるようになってきました。
まとめ
確定拠出年金への考え方には温度差があって当然です。自動化の選択肢の一つとして、ターゲット・イヤー・ファンドは有力な候補です。
ただ、無条件に受け入れるスタンスには反対です。「将来にわたって自分の考え方は一貫している」、そんな人いません。美徳でもありません。株式投資に一旦手を出すとこの美徳が災いして手痛い思いをします。
日経ヴェリタスでの山崎元氏の連載記事『意外なマネー新常識 』の6回目ではターゲット・イヤー・ファンドに触れられています。この商品は割に手数料が高いと警告を発しています。
ターゲット・イヤー・ファンドを一旦選んでしまうと、ほったらかし運用に陥ってしまい見直しを怠ってしまいます。よく吟味してからこの商品は選択しましょう。