トルコからも飛び火!新興国への緊張高まる

お盆休み前の週末8/10の14時、突如の異変が。

ユーロドルは、約1年ぶりに1.15を割り込みました。マーケットオープン中のアジア市場を直撃、日経平均株価は300.31円安で終えました。




トルコからの飛び火

発端はトルコです。おととしに起きたトルコでの軍クーデター未遂事件に関与したとしてアメリカ人牧師をトルコ当局は拘束しています。米国側は釈放を求めてつばぜり合いを続けてましたが、8/9の協議でも打開できなかった模様です。

既に下落続きのトルコリラは、この件がさらに圧力になり年初来対ドル4割にも達しました。

欧州全体に飛び火しました。英フィナンシャルタイムズ紙が、トルコ向け債券の多い欧州銀行の具体名を報じたことで、8/10のドルユーロ急落のパニックを引き起こしました。

米トランプ大統領の暴走は止まりません。牧師解放不成立を受けて、鉄鋼・アルミの輸入税を2倍の50%、20%に上げる意向を表明しました。

新興国の不安

トルコ発の緊迫とは別に、そもそもとして米利上げの進行で新興国の負担は増大しています。

8/7の日経新聞1面トップは『新興国債券 償還ラッシュ』です。

2008年のリーマンショック以降、世界の中央銀行は大規模な資金供給で景気を下支えしてきました。低金利を背景に新興国の政府や企業が発行した債務が2018年より大量に償還を迎えます。今後3年間で毎年過去最高となる100兆円規模の償還となるとのことです。そのうち54%が中国が占めるとのことです。償還により返済されたマネーは、ドル建ての高金利での新たな債券に生まれ変わり債務負担の膨張が懸念されます。

ただ新興国は資金流出への備えも進めてきており、先進国も含めた世界の外貨準備高は10年前と比べ4割増えていると当記事は伝えます。

 

とくに中国の外貨準備高は気になるところですが、8/7発表では6、7月と2ヶ月連続で小幅に増えていました。上海総合は週間で2%で、貿易摩擦が激化する中、しばしの安心材料とはなりました。でも、8/10のトルコの一件で新興国に対する市場ムードの悪化をひきずっての週明けとなりました。

 

まとめ

新興国への緊張が高まる一週間となりました。

日本に身を置く私などからはなかなか実感できませんが、新興国では資金流出で通貨安、輸入品の価格が上がり物価は上昇、債券安の圧力が強まっています。

米国1強の余波は新興国を直撃しています。確定拠出年金の日々のスイッチングも慎重にならざる得ません。