‪ドル指数みてると歪むトランプ発言‬

今年は例年にまして、ドルそのものの実力を話題としたニュースへの印象が強いです。

なんといっても1/24のムニューシン米財務長官の「ドル安は米国にとって良い」発言です。この発言が今年の相場の方向性を決めたといっても過言ではありません。

米財務長官としては異例の発言で、発言の撤回を求める声もありました。上に示したドル指数の1989年来の長期チャートでも、2001年の高値に比べれば高いわけではありません。昨年冬の米大型減税の可決以来、財政悪化の懸念から発言のあった1月下旬はドル安に向かっている最中でもありました。

そんな最中での発言だったので、マーケットには大きな驚きです。株式市場は昨年来の上昇ムードが一気に吹き飛びました。1/23に付けた日経平均の年初来高値24,129.34円は、遠くの存在に感じてしまいます。

トランプ大統領もドル高牽制の姿勢を隠すことはありません。2週間ほど前にもFRBの政策金利引き上げに「好ましくない」との見解を表明し、利上げによるドル高を止めたがっています。

実質実効レート

ただ、実質実効レートでみたときには少し様相が変わってきます。ドル指数がユーロ、円、ポンドなどの主要通貨の名目値から算出されるのに対し、実質実効レートは貿易相手国との貿易取引量や物価水準を加味して算出されます。

日経新聞8/5『日米物価差、20年で5割超拡大 たまる円高マグマ』に、1980年以来の米国の実質実効レートのチャートが掲載されています。2001年に高値を2017年には突き抜け、現在はやや収まり2001年と同水準です。

 

トランプ大統領が「米ドルは高い」というのは、実質実効レートをみての発言だからと当記事を読むとみえてきます。ふだん株式など売買しながらマーケットをみていると、どうしても名目レートの動きに一喜一憂してしまいます。実質実効レートの議論は見落としがちなので、米ドルが高いなんて云われると違和感さえ出てきます。

 

当記事に掲載されている他のグラフも衝撃的です。

・日米消費者物価は20年で5割強も格差が拡大しています。乖離はほぼ直線的で今後も同じ傾向が進むことを感じさせます。

・日本円の実質実効レートは過去20年で割安です。

購買力平価という考え方により、長期的には名目レートは実質レートに近づくといわれます。当記事によれば、1ドル=110円前後の現在水準は、90円台前半でもおかしくないといいます。

 

まとめ

今週は、日米通商協議が8/9に予定されており、貿易摩擦の問題は日本への飛び火が本格化しそうです。

実質実効レートをもとにした議論が進行すれば、円高懸念も高まります。

確定拠出年金の毎日スイッチングをしながら動向はよく観察していきたいとおもいます。