「ワラにもすがる」とはよくいうものですが、依然として何を頼りにすればよいのかわかりません。。
国際通貨基金(IMF)が6/24、4月に続き経済成長の見通しを示しました。マイナスであることは誰もがわかっていても、そのブレに驚きます。
2020年の世界全体の成長率は4月時点の▲3.0%を大きく下方修正され▲4.9%です。
米国やイタリアでの新型コロナの感染拡大の第1波は4月にはピークがみえていたのに、その時点の予測がたった2ヵ月しか過ぎていない6月の時点で1.9%もブレてはやりきりません。
株式相場の下押し要因となっています。
歴史的なマイナス成長に深化
6/25日経新聞の1面『世界の損失 2年で1300兆円』からは、「米74年ぶり」、「英311年ぶり」のドギツイ数字が目に飛び込んできます。
6月発表の2020年の成長率予測は先進国も新興国も下方修正されています。
下方修正の結果、米国は▲8.0%で第2次世界大戦の特需が消えた1946年(11.6%減)につぐ悪化です。英国は▲10.2%で大寒波があった1709年(13.4%減)以来のマイナス成長とのことです。日本は▲5.8%でリーマンショック後の2009年(5.4%)を超えた景気悪化と予測されています。
歴史を学ぶには良い機会なのかもしれません、、米国が大戦直後に不況に陥っていたなんて知りませんでした。
因みに大恐慌の1930~32年は、世界経済が17%~18%の縮小だったと当記事は伝えます。
やはり第2波が読み切れず
2021年は各国でプラス成長に転じるとされ、4月からの修正も上方・下方まちまちです。
ただ、それもコロナ第2波の状況次第のようです。同日の日経新聞の5面『第2波なら21年ゼロ成長』によれば、基本シナリオでは2021年は5.4%成長を見込むものの、同年初めに感染第2波が発生すれば4.9%下振れするといいゼロ成長となるとのことです。
まとめ
世界全体でみれば新型コロナは感染拡大の一途で1,000万人に迫っており、第1波の渦中にあります。第1波を抑え込んだ国で第2波が警戒されているに過ぎません。
実際には第1波と第2波が混ぜこぜになって、実態がますますみえづらくなっています。
株式相場は、巨大な金融緩和と財政出動を手掛かりに根拠が乏しい中で3月以降これまで上昇基調でした。日経新聞6/26『日米株高「実体経済との乖離」』によれば、IMF報告書のなかで日米などの株価上昇に対して「実体経済と乖離しており、割高感がある」と警戒感を示しています。
実体経済の予想のブレが大きければ、同じく株価のブレも大きいと考えるのが自然です。毎日スイッチングをしながらマーケットの推移をよくみて警戒を怠らないようにしたいとおもいます。