株式より読めないのが原油相場。協調減産緩和への警戒から5月後半から下落基調でしたが6/22OPEC総会を通過して急浮上です。
7月に入ってWTI先物は74ドル台に突入し、昨夜は75ドルを付けました。
でも原油ETFはドンドン売ってきたので、もう残りわずかです。押し目待ちに押し目なし。。
ドルと逆相関のはずがドル高でも原油高。5月頃にも似た相関関係です。コモディティの中でもゴールドはドル高とあって素直に下落トレンドです。ゴールドと比べても異様な動きです。
トランプ大統領のツイート
4/20の米トランプ大統領のツイートには誰もが「おやっ?」でした。原油は人為的に高値に釣り上げているとOPECを批判しました。以降、原油高を牽制するツイートを繰り返しています。
ドルと原油の同時高は米国には好ましくない状況です。
原油高→インフレ懸念→利上げ容認ムード→ドル高
ツイートによってこの流れに待ったをかけようとしています。ドル高で米国に資金還流して恩恵も大きいはずですが、相反するツイートです。
1年前なら考えられない発言です。OPEC減産が遵守されるかを警戒してきました。米国にとっても割高なシェールを採算にのせるには、減産による供給不足は追い風でした。
盟主サウジは減産緩和を主導
トランプ大統領の思惑に乗っかる動きをみせたのがOPECの盟主サウジアラビア。W杯直前にはロシアと手堅く緩和への路線を作りました。
結果、6/22総会では自国の増産を実現。原油高でも生産体制が整わないベネゼエラをよそにサウジは増産です。
サウジは米国からの援護射撃をもらった格好です。米国は5月にイラン核合意を破棄しました。イラン潰しの勢いは加速します。直近の米国はイラン産原油の不買運動を展開、日本にも圧力をかけてます。
日本も戸惑いますし、欧州の面目も丸つぶれ状態です。欧州は長年の交渉の末、イランと核合意に至りました。
でも、親イスラエル色が強いトランプ政権は、四月のシリア爆撃からとくに顕著になりましたが、一貫してシーア派・イラン潰しです。親米でスンニ派・サウジアラビヤがこの流れに同調しないはずがありません。
80ドルを目指すWTI原油。しばらくこのトレンドは続きそうです。
まとめ
日経新聞7/1『世界市場 リスク回避』によれば、新興国株式はもとより、先進国株、主要通貨、ゴールドを抑えて今年上半期は圧倒的に原油が上昇です。20%を超えて独歩高です。
このトレンドは7月になって加速しているようにすら感じます。
確定拠出年金の毎日スイッチングは、株式市場よりトレンドが鮮明な原油市場をみて考えたほうが良さそうです。