技術系の会社に勤める私が、株式投資、そして確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)に、なぜハマっているのか。
その一つは、「思考回路を変えたい」という欲求です。
私は、建築関連のシステム開発に従事しています。
ここでいう技術とは、建築やITといった工学技術(Engineering)を指しています。
技術の世界に身を置くと、「後戻りのない進歩」を前提にした意思決定にがんじがらめになります。
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金額=単価×数量。この単純な公式をすっとばして経済の話がなされることが、あまりに多い、そう感じています。
建築構造が成立するぎりぎりを狙って、部材コスト削減します。わずか数センチのスリム化にこだわり構造を計算します。
5%のコストダウンを目標にプロジェクトは進めます。
どうにか目標を達成すると、次のプロジェクトでは、さらに5%ダウンが期待されます。その繰り返し。
いちど到達した目標は、次への土台となります。後戻りは許されません。
システム開発を進めると機能が拡充します。
一度開発した機能を捨てることは基本ありません。開発するほど機能が増え、機能間の整合を取るのに飛躍的にテスト量が増えます。
「天地創造が7日でできたのは何も存在していなかったから」と、Windowsの生みの親ビル・ゲーツは、かつてそう言い放ったそうです。
築き上げたシステムに、さらに機能を上乗せする苦労は、日々身に染みています。。
建築やITの現場にどっぷり浸かっていると、「汗水流せば発展する」といった思考回路を育みがちです。
一方、経済に関心を持ってから、私の思考回路に変化が現れました。
「汗水流しても報われないのは当たり前」
直線的な発展を前提としていません。株式相場は、上がれば必ず下がる、下がれば必ず上がる。
波を打ちながら発展します。
確定拠出年金は、「絶対安心」なやり方はありません。
確実な方法がないことが、確定拠出年金の普及を妨げている大きな理由です。
戦後の高度経済成長は、技術の進歩と強い相関がありました。
汗水流して頑張って働けば給与が増え、経済的に豊かになりました。
頑張って働くことが、老後の人生を確実にしました。
そんな人生観の中育った私たちの親世代は、「技術信仰」が極めて強いです。
世の中は直線的に発展すると捉えがちです。
私たちの世代は、「技術信仰」には疑問を持ち続けて生きています。
ただ、投資教育をまともに受けていない私たちは、思考回路は親世代から引き継いだだけで疑問を持っていないのがふつうの状態です。
私は、確定拠出年金のスイッチングを毎日行っています。
技術信仰から離れて、生々しい世の中の変化を機敏に感じ取り、思考回路を豊かにしたいというのが、スイッチングを毎日行う一つの理由です。