新型コロナウイルスの感染者数が、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると6/28、ついに全世界で1,000万人を超えました。
同大学がまとめた世界各国・地域別の感染者数(死者数)が、日経新聞に毎日掲載されています。
7/3時点における感染者数の上位10カ国は、
米国:274万人
ブラジル:150万人
ロシア:66万人
インド:63万人
ペルー:29万人
英国:29万人
チリ:28万人
スペイン:25万人
イタリア:24万人
メキシコ:24万人
です(万人以下は四捨五入)。当初は欧米で占められていましたが、今では新興国がどんどん上位に入り込んできています。
先進国に比べ対策に手が掛けられない新興国で増加するのは、残念ながら自然な成り行きです。
ピークが遅れてやってきたのも災難です。ブラジル大統領などをみていると失策が目に余りますが、たとえまともな対策を打っていたとしても後発の国々はスタートラインに立った時点でそもそも不利です。
それに欧米それに日本など先進国では自国のことで手一杯で、新興国にはなかなか同じ目線での関心は向かいません。。
新興国、財政ひっ迫にドル不足
日経新聞6/28『新興国 ドル不足の試練』によれば、新興国(中国を除く)の外貨準備は過去20年間で最速ペースで減少しています。国の信用力の指標とも言える外貨準備は6割強をドルが占めるといいます。新興国の成長とともに10%程度のペースで伸びてきたものの、今年は1500億ドル減で大幅なマイナスとなるとのことです。各国中銀との通貨スワップでドル供給が受けられるのは、新興国ではブラジル、メキシコのみとのことです。IMFは4月に「短期流動性枠」を新設したものの、対象は健全国に限られ利用はないとのことです。
日経新聞6/26『新興国、ドル建て起債最高』によれば、4月以降のドル建て債券の発行額は四半期で過去最高でした。とくに目立つのが中東産油国のようです。原油価格が1バレル70~80ドル程度で財政均衡が保てるUAEやサウジアラビアにとって40ドル前後の状況は厳しいようです。5月には、アルゼンチンでドル建て債務の利払い停止が発生しています。エクアドル、レバノンでもデフォルトに陥っています。
まとめ
外貨準備を切り崩し足りない資金は起債する負のスパイラルが、新型コロナの感染拡大とともに新興国で加速しています。償還・返済が必要な債務は積みあがっています。
新興国の感染拡大に債務危機にと、先進国に振返ってくるわけで対岸の火事では済むはずがありません。3月のショック以降、6月前半までは楽観で進行してきた株式相場でしたが、新興国リスクから目を背けるわけにはいわない状況です。