新語DX、IT投資15.8%増の見通し

今年になってからでしょうか、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」なる新語をよくみかけるようになりました。
ITとIoTの違いも消化不良気味なのにあらたな言葉がうんざり。。この種の言葉は厳密な定義よりも雰囲気をつかむのが大事だとおもっています。

8/10日経新聞朝刊の3面『きょうのことば』は「DX」でした。これによると、
DXとは「企業がビッグデータや人工知能(AI)、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」などのIT(情報技術)を駆使し、製品やサービス、ビジネスモデルを変革すること」です。
文章を分解するとこんなイメージでしょうか。
IT(情報技術)
|←AI(企業がビッグデータや人工知能)
|←IoT(あらゆるモノがネットにつながる)

DX(製品やサービス、ビジネスモデルを変革すること)

ITで包括されるAIやIoTは「手段」をさしていて、そうした手段をもちいた「ゴール」がDXといったところです。




IT投資15.8%増の見通し

日経新聞8/10の1面トップは『デジタル投資15.8%増 コロナ下DX加速』です。日経新聞社の調査によると、企業のIT投資の計画額は前年度実績比15.8%増と大幅に増える見通しです。

20年度の全産業の設備投資の計画額が19.2兆円で1.2%減る見通しに比べると、やはりITだけ切り離してみた15.8%増は突出しています。

製造業と非製造業に分けてみるといずれもIT投資は増やしています。苦戦を強いられている製造業であってもIT投資はむしろ非製造業を上回ります。

設備投資 IT投資
製造業 ▲1.4% 20.3%
非製造業 ▲0.9% 13.1%

DXの事例として当記事では次の取り組みをあげています。

売り方:

・ネットスーパーで繁閑に応じた配送料を変更(セブン&アイHD)

・一部のスーパーで客がスマホで商品バーコードを読み取り・決済可能に(ユナイテッド・スーパーマーケットHD)

供給網:

・農機や建機の生産・販売情報を米マイクロソフトとくみ世界で一元管理(クボタ)

・電子部品材料の調達計画システムを構築(村田製作所)

働き方:

・遠隔で工事の進捗確認や施工管理をして省人化(大成建設)

・オンライン接客を新築分譲マンション販売で導入(三菱地所)

 

まとめ

前述の記事によれば、2008年のリーマンショック後は全産業の設備投資が30%近く落ち込んでいます。それにくらべれば、新型コロナ感染拡大による未曾有の危機にあっても前述のとおり1.2%減でわずかな落ち込みで、IT投資に限れば大幅増が見込まれます。

従来からつづく人手不足に加えコロナ禍でDXに焦点があたるのは必然のことと思われます。8月になり株式相場は再び上昇に転じ、TOPIXは1600を回復しすそ野が広い上昇となっています。DXの深化で流れが継続してほしいところです。