史上初の大台100兆円を超える次年度予算案が12/21、政府から示されました。
日経新聞12/22『景気優先 かすむ財政規律』によれば前年比3.8増の101兆4564億円です。
消費税の8%→10%の引き上げによる景気後退を食い止めるために対策を講じることが優先され、「100兆円超えはやむなし」といった論調になっています。
消費税対策の指針
10/15の臨時閣議で、消費税対策の指針が打ち出されています。
消費税率引上げとそれに伴う対応について(臨時閣議における総理発言)
にれば、経済に影響を及ぼさないようにするため、 4つの政策が打たれる方針です。
1)消費税の使い道を変更
増税分2%うち半分を国民に還元する。幼児教育の無償化を実現する。
2)軽減税率の導入
家計消費の4分の1を占める飲食料品は8%に据え置く。
3)打ち上げ前後の消費平準化への施策
ポイント還元といった新たな施策による支援を行う。引き上げ前後で柔軟に価格設定ができるようガイドラインを整備する。
4)大型消費財について税制・予算措置
自動車や住宅を来年10月1日以降に購入してもメリットが出るように税負担の軽減をする。
対策の規模
日経新聞12/22『消費増税へ政策総動員』によれば、政府の見解では消費増税による国民の実質負担増は約2兆円です(5.2兆円で教育無償化などを差し引いた額)。
これと同等の約2兆円の経済対策を取るとのことです。
内訳として、
・防災/減災などの公共事業が1.3兆円
・住宅ポイント制度/給付金0.2兆円
・プレミアム付き商品券が0.2兆円
・キャッシュレス決済でポイント還元
で2兆円になるとみているとのことです。
さらには、先述の「大型消費財についての税制・予算措置」にあたる対策は3,000億円規模の経済効果が期待できるとして、総額2.3兆円を打ったとして国民負担を相殺しているとの見方を政府はしているようです。
12/14に与党は次年度税制大綱を公表しました。その後の週末に行われた世論調査(日経新聞12/17『増税対策 評価は実施後』)では、31%の人が「やり過ぎだ」と考え、「適当だ」、「不十分」と拮抗しているようです。
でも、ポイント還元については、年齢が高いほど反対する人が多い結果(60%)です。スマフォや電子マネーに疎い人にとっては本当に恩恵が得られるのかみえずらいです。還元率も中小企業は5%、フランチャイズチェーンを展開するコンビニや外食などの大手企業は2%と、制度自体が複雑なのも一因のようです。
まとめ
10月はじめに2万4,000円を超えた日経平均株価は、明日12/25には日経平均2万円を割り込みそうな気配です。消費税の問題で、株価下落に拍車がかからないよう祈るばかりです。