昨年2017年12月に、米国では30年ぶりの大型減税が成立しました。目玉の法人税減税は35%から21%へと大幅に下りました。
大型減税は財政悪化懸念に
絶対な効果が期待された大幅減税でしたが、2018年は2月に入り米株式市場は急降下。昨年までの強気相場は影を潜めています。減税による財政悪化→ドル安のシナリオに株式市場は過敏に反応してしまい、結局のところ減税効果は未知数のままです。
対岸からみる米国は、大型減税成立は与党共和党にとって11月の中間選挙への大きなアドバンテージになったと思っていました。でも、全然材料不足のようです。貿易摩擦をはじめたり、イラン核合意破棄をチラつかせたりと、トランプ大統領からの撹乱が続いています。
4/10日経新聞『米財政赤字、20年に1兆ドル突破議会試算、政権とズレ』によれば、大型減税成立によって、米議会予算局が大台1兆円到達が早まったとの見通しを示し話題となりました。
元々当て込んだ効果って何処へ?
財政悪化の側面はしっかり受け止めなければいけません。一方では元々当て込んでいた減税の効果ってどうなっているの?まともに検証されずに今年はここまで来ました。ネットで検索しても、昨年12月までに書かれた記事が上位を占めます。
ポジティブな面にフォーカスを当てた記事を4/26Bloombergに見つけました。
トランプ減税の恩恵、自社株買いより設備投資の伸びを後押し
によれば、1-3月期決算を発表した約130社は、
・設備投資額の増加は39%で、7年ぶりの伸び
・自社株買いは16%増、配当は11%増で株主還元は鈍い伸びのまま
だそうです。株主還元より設備投資の伸びが増加していることから、当記事は「投資家が望んでいた通りの展開だ」との弁で締めくくっています。
米国では、1〜5月の確定申告の還付金が株式相場を下支えする要因になっているともいわれます。今年は大型減税で還付金は上乗せでした。
繰延税金負債の減少によって米国へ進出している海外企業も恩恵を受けています。
減税により吹き溜まったマネーが何処へ?現状では明確な流れがみえない中でマーケットは動いています。
まとめ
減税の効果って実際どうなっているのか、もっと報道してほしいです。でないと、良くも悪くもバランスよくこの問題を受け止められません。それに、株式相場で急に材料視されても肩透かしを食らってしまうことになりかねません。。
昨日5/4は、4月期米雇用統計の非農業部門の就業者数が市場予想を下回ったことを受け、その反動でNYダウは332.36 ドル高(+1.39%)と大幅上昇でした。減税が好材料となって上昇が暫く持続する、なんてシナリオも頭の隅に入れておいても良さそうです。
日本はゴールデン・ウイークで、相場の感覚がうまく掴めませんでした。たっぷり遊んでボケボケです^_^
確定拠出年金の毎日スイッチングは、相場の雰囲気をよく観察して挑みたいと思います。