9月からの急激な株高は11月に入りようやく止まりました。直近は乱高下していますが、20年来の高値圏です。その裏付けとなっているのが企業業績です。4半期決算シーズンが収束しました。11/16日経新聞に、業種別動向のまとめ記事が掲載されました(『景気回復・円安 追い風』)。おなじみのフォーマットの「上場企業の主要業種別連結業績動向の一覧」が掲載されています。
好調キープです。2018年3月期の純利益は、前期比17%増の25兆6314億円と、過去最高を更新する見込みとのことです。
期初予想を8%上回る勢い
5/20日経新聞『減収でも最高益に』の上場企業の主要業種別連結業績動向の一覧によれば、2018年3月期予想は、23兆7134億円です。半年を経て1兆9180億円の上方修正となりました。期初において既に過去更新は予想されていました。半年たって角度がかまった上、率にして8.1%の上積みとなったわけです。9月からの株高は当然の帰結といっても良いのかもしれません。直近株価は乱高下するものの、一方向に下がり続けるとは考えにくい状況です。
自動車・部品が一転好調
期初は、自動車・部品の軟調が懸念されていました。年初より米国新車販売台数は毎月下落の一途でした。米国景気が下降に向かうのではないかとの懸念として米国新車販売台数の動向が5月頃はたびたびニュースになっていました。ところが一転、9月の大型ハリケーンが買い替え需要が生まれました。自動車産業は期初予想で▲4.1%減でしたが、現在7.1%増です。
自動車・部品は、売上高が最も高い業種です。純利益予想上積みが5262億円にもなり、先に述べた1兆9180億円に占める割合は27.4%にもなります。日本を支えるこの産業が減益から増益に転じたことで、景況感は明るくなったと思います。
円安が追い風
トヨタ自動車の5月時点の想定為替レートは1ドル105円でした。期初は、為替にはディフェンシブな想定をする企業が多い印象でした。
11/16日経新聞当記事によれば、主要企業の下期の想定為替レートは1ドル110円が7割と最も多く、105円も1割強に上るとのことです。今期は4月と9月に108円水準を一時的につけたものの、均せば110円を超える水準です。足元112円~113円です。円安が上方修正に寄与しています。
まとめ
電気機器は全業種でもっとも増益が見込まれています。ソニーが20年ぶり過去最高益に上方修正したり、半導体需要の堅調が裏付けているようにおもいます。ただ、電気機器の好調は前期のリバウンドでもあります。
3月期決算の過去最高更新は間違いなさそうですが、今後は来期を見越した動きを株価は織り込もうとします。電気機器の好調は続くのか、通信の軟調は留まるのか、心配も出てきます。来年度は消費税増税論議が活発になり、マーケットは揺さぶられそうです。
確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)の運用を通じて、今後も業種の動向に注目していきたいと思います。