配車サービス、米リフトIPOで大揺れ

配車サービスをこれまで使ったことがない私は、タクシーとの優位性がしっくりきていません。。

東京に住んでいるからでしょうか?駅前に行けばタクシーは止まっているので、わざわざ配車アプリを開こうという感覚にはなりません。




米リフトは2019年IPOの目玉

米国の配車サービス大手リフトが3/29、新規株式公開(IPO)をしました。上場当日はIPO価格72ドルを上回る78ドルでひけたものの、翌営業日はIPO価格を下回る暴落で大きな失望を生みました。

リフトの筆頭株主は楽天です。楽天も大きく揺さぶられました。

「物言う株主」で著名なアイカーン氏は、保有していたリフト社株をIPO前に、これまた著名投資家ソロス氏に売却していたことが4/3に明らかになりました(日経新聞4/5『米リフト株 公開前に売却』)。当記事によれば、アイカーン氏は創業者2人に通常の20倍の議決権を持つ種類株を発行することに不満だったようです。きな臭さが残るIPOとなってしまいました。

今年は、米国の配車サービスの最大手ウーバーも上場を控えているとされています。時価総額はリフトの約200億ドルの6倍にも相当する約1200億ドルといわれています。リフトのIPOはウーバー上場の試金石ともなっていました。リフトの株価の動向が、配車サービス全体への重荷にならないか気掛かりとなる状況にあります。

配車サービスの優位性

日本では、タクシーのナンバープレートは緑色です。自家用車のナンバーは白色で、タクシーとして使用する「白タク」は原則として法律で禁止されています。料金は業界で決められているので割高です。配車サービスの参入で料金引き下げの圧力は期待されています。一方で料金の割高とひきかえに、プロのドライバーが運転するという安心感はあります。料金と安心感のトレードオフでみたとき、配車サービスが有意性が際立っているとは今のところ感じられません。

でも、治安がよくわからない国に渡航すれば、私はタクシーは避けできるだけ公共交通機関を使います。料金をぼったくられたり、どこに連れていかれるかわからない不安がよぎります。世界的にみれば配車サービスへの期待は高いと感じています。

東南アジアでは、グラブとゴジェックがシェアを伸ばしています。日経新聞4/3『配車2強 ネット経済支え』に、創業者の想いが述べられています。ゴジェックのナディム氏は、ジャカルタ市民の足ともいえるバイクタクシーをアプリでつなぎ、距離と混雑状況に応じて事前に明朗な会計方式に変えました。グラブのタン氏は、出身地マレーシアのタクシーのひどさが起業のきっかけとなっています。

中国では滴滴出行が最大手です。米国ウーバーは、中国や東南アジア、ロシアからすでに撤退しています(日経新聞3/5『ライドシェア経済圏 拡大』)。自国の事情をよく理解した国内配車サービスが優勢です。

 

なお、過疎化が進む地域では東京とは事情が違いますし、国土が広い米国では都市部であっても車社会です。配車サービスは、大きな可能性を秘めているとは感じています。

 

まとめ

米グーグル系のウェイモは、昨年2018/12に自動運転車によるライドシェアサービスの商用化に一歩踏み出しました。自動運転の実現ストーリーも織り交ざって、ウーバーやリフトは成長が期待されIPOの主役に躍り出た格好です。リフトのIPOをみる限り期待先行の感が強いです。