日本人は、金融に対する知識(金融リテラシー)が低いと云われることがあります。
今週号(4/2号)の日経ヴェリタスに、『金融に関する知識、日本人はやや低水準』と題した記事が載っています。
2016年公表の金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査」と経済協力開発機構(OECD)調査を基にした、世界31カ国・地域の順位を評した記事です。
ここでも最後に順位を記載しておきます。金利やインフレに関する共通設問6問の正答率を単純平均した結果だそうです。
経済大国の日本、24位。各国に経済協力する側の国なのに、協力を受ける側の国々のほうが、知識が高い。
コンプレックスになりますね。
「将来に備えて資産を守るためには運用による資産形成は欠かせず、金融知識向上が課題だ」と記事は締めくくっています。
おや?
でも、順位には、中国がない、ドイツがない、そして米国がない。
どんな基準で31カ国が選ばれたのか、記事からはさっぱりわかりません。
どう選ぼうが、日本より上には24もの国は少なくともあるのだ、と言いたげです。
米国がもし日本より低い順位であったら、成り立たない記事ではないか、そんなことをふと思いました。
米国は、確定拠出年金の生まれの国。資産運用の知識が人々に広く浸透しているのか。
でも、富裕層が占有する資産の割合は、日本をはるかに凌ぐはず。
世界一の金持ち国だからといって、一般市民の金融リテラシーは高いとは言えないと思います。
この記事に登場する日本より上位には、経済的に苦しい国も並べます。
経済が苦しい環境で生き延びるには、外貨獲得の術、インフレを予知する能力などが、
一般市民レベルで自然と育まれても不思議でありません。
日本は豊かだから、金融リテラシーが向上しない。確定拠出年金(401k.iDeCo.DC)の商品比率が圧倒的に高いのが元本確保型である。
闇ドルが横行する国で、確定拠出年金が導入されたら、どんな商品比率がポピュラーなのでしょうね。
■金融リテラシー(正答率が高い順)
1.香港
2.韓国
3.エストニア
4.ノルウェー
5.フィンランド
6.ラトビア
7.ニュージーランド
8.フランス
9.カナダ
10.オーストリア
11.ベルギー
12.オランダ
13.リトアニア
14.ポルトガル
15.ハンガリー
16.トルコ
17.ジョージア
18.チェコ
19.ポーランド
20.ブラジル
21.ヨルダン
22.クロアチア
23.英国
24.日本
25.ロシア
26.アルバニア
27.南アフリカ
28.タイ
29.ベラルーシ
30.マレーシア
31.バージン諸島