日経平均株価は2万円の攻防が続いています。4-6期決算発表は予想業績の上方修正が相次いでいます。今週発足した改造内閣は経済優先、無難といった見方が優勢です。株価上昇の下地はしっかりしているようにみえますが上昇は加速しません。
8/4日経新聞『覆るか「2万円は売り」』によれば、高齢化という構造問題が株高の加速を抑える一つの要因となっているようです。
高齢化による資産の保全
団塊世代と呼ばれる1947-1949年生まれは67-69歳です。人口ピラミッドの頂点をなすこの世代の影響力は強いです。
株式と株式投信を保有希望割合を年代別に示したグラフが当記事に掲載されています(2016年 金融広報中央委員会)。それによると、50代をピークに60代以降は保有希望の割合が減少していく様子がわかります。
資産を増やすのは40-60歳が中心で、以降は資産を取り崩す世代になると一般的に考えらえています。団塊世代は60歳後半を超え資産保全を優先する世代となりました。
株式や株式投信のようなリスクが高い資産は、債券や現金に流れます。リスク回避の売却が日経平均株価の上値を抑える要因となっているというのが当記事の仮説です。
確定拠出年金の自動運用
確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)の運用においても、若い頃はリスクを取り退職期が近づくにつれリスク回避が推奨されています。
実態としては若い世代がリスク商品に拠出しないので、デフォルト商品の導入が議論になっています。投資の知識が乏しい人にとっては商品選びは正直難しい。商品選びをしないまま放置する加入者には自動的にデフォルト商品を選択させてしまうといったやり方です。本人の意思が介在しないまま商品が購入されるという点で問題がありますが、老後資産形成のセーフティネットとの見方から法整備が進んでいます。
英国の確定拠出年金では、分散投資と年齢に応じたリスクコントロールを自動で行うリタイアメント・デート・ファンドが提供されています。
まとめ
株式売買ではAI(人工知能技術)を取り入れた商品が注目されています。確定拠出年金においては、これまでに述べたように自動化の流れが進んでいます。投資の知識や関心がない人、知識があっても高齢化に伴い気力が失せる人が自動化のニーズを支えています。
私は確定拠出年金は毎日スイッチングをしています。上がろうが下がろうが相場の波に合わせて売買する順張り投資です。関心を持続するためにコツコツ取り組んでいます。