12/24週振返り:史上高値が射程圏内、日経平均3万3,000円台で幕引き

TOPIXの年間上昇率が25%、日経平均株価が28%、昨年の今頃は予想もつかなかった大幅上昇でした。ドル円は150円を上回る円安が再来し昨年と似通ったストーリーを歩み出したわけですが、ただ原油は小幅な反転にとどまり極度なインフレを抑制して株式市場にとっては心地よいぬるま湯となりました。日経平均は33,464円で今年は幕引き、史上高値3,8915円まで14%に迫り上抜け射程圏内です。
23年日本株はアベノミクス以来の年間上昇率-円安やインフレ期待

今年の大幅上昇には「PBR1倍割れ解消」の掛け声が大きな要因となりました。
2022年4月の市場再編のいわば第二幕です。今年1月に東証はPBR1倍割れの銘柄に対し、改善に向けた取組みを要請する方針を明らかにしました。3月期決算企業が来期に向けて取り組みを開示しはじめた5月、相場に火をつけ日経平均は3万円を回復しました。そして来年1月にはPBR是正に積極的な企業を東証が公表をはじめる見込みです。第三幕も侮れません。
プライム市場、PBRで絞り込み 東証が対応企業を公表

米国では12月に入ってNYダウが連日史上高値を更新し、S&P500も最高値まで0.3%に迫りました。3月に起きたシリコンバレー銀行の破綻で失速してもおかしくなかったですが年初からおおむね上昇基調でした。今年は利下げの見通しのはずでしたが、ことのほか米国経済が堅調で利上げが継続で政策金利は5.5%に達しました。物価上昇率が2022年6月の前年同月比9.1%をピークに下降傾向でしたが、米国経済の堅調が続き念には念を入れてかFRBは政策金利を今年も引き上げたわけです。たださすがに来年は利下げに転じるだろうと、5%を超えた米国10年債利回りは11月から下落に転じ足元3.8%台で株式市場の上昇を後押ししました。5%で良いとされる失業率がいまだ3%台で金利水準を高く維持しておきたいと考えても不思議でないですが、ドットチャートによればFRBは来年3回の利下げを予想しています。来年は債務上限問題や大統領選挙に相場は振り回されるのかもしれません。
【米国市況】S&P500種は年24%高、利下げ観測支え-ドル141円近辺

昨年秋にゼロコロナ政策の解除に向かった中国は今年も低空飛行機でした。CSI300指数は年初来11%下げています。2021年に恒大集団の不動産債務危機で株式市場はパニックになりましたが、今年は碧桂園のデフォルト騒ぎです。ただ、中国の債務問題は灰色のサイといわれるだけあって傍目には不透明すぎていちいちパニックを起こしてられません。中国への投資マネーが流出し国内回帰の流れ強まっています。中国そっちのけで日本株は今年は上昇した感です。
アングル:中国経済、債務膨張か低成長か 迫られる究極の選択

ロシアがウクライナに侵攻しておよそ2年ですが膠着状態です。10月、武装勢力ハマスがイスラエルを攻撃し人質を連れ去る事件をきっかけに、イスラエルがパレスチナに報復を続けています。今月にはイスラエルを敵対視するイランが支援しているといわれる武装勢力フーシが紅海航路を攻撃し中東が緊迫しています。スエズ運河に加え、干ばつでパナマ運河の水位が下がり物流の大動脈が危機に瀕しています。来年の株式市場はこれらの地政学リスクと正面から向き合わすことになるのかもしれません。
米軍、紅海でフーシ派発射の無人機とミサイルを撃墜

振り返れば問題山積でしたが、株式市場は楽観ムードで今年の相場を終えました。気を引き締めて取り組んでいきたいとおもいます。良いお年を!

 

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