3/16週振返り:IMM通貨先物、円買いポジション過去最高圏

土曜の朝目覚めたらまず確認するのがIMM通貨先物ポジションです。
シカゴ・マーカンタイル取引所の国際通貨先物市場に上場されている通貨の建玉明細のことで、毎週火曜時点の非商業(投機)部門の取引状況が土曜日に公表されます。記憶にあたらしい昨年8月の株式市場大クラッシュは、過去最大に積みあがった円売りポジションが一気に解消されたことが引き金となりました。逆に現在は円買いポジションが過去最高水準で推移しています。
アングル:海外投機の円買い、積み増しか処分か 昨夏に比べ反動限定とも

トランプ政権がすすめる関税強化が米国内の物価を押し上げ金利上昇圧力となるものの、二転三転する政策による混乱で景気後退の懸念が金利低下圧力となっています。
日本では物価上昇が基調的との見方から金利が上昇しています。
日米の10年債利回りの差が金利差が年初から0.8ポイントほど縮まり足元2.7%台です。金利差の急激な縮小がIMM通貨先物の円買いポジションを過去最大にまで高めました。
日米の長期金利差が急縮小、22年8月以来の小ささに
【為替】円金利の急上昇で後退する円安リスク
ドル円は年初来158円台から146円台まで円高が進みました。

ここ一週間ほどはトランプ氏から関税に関する目立った発言もなく、幾分落ち着いた感が出てきました。
日本国内では春闘による賃上げが全体では5%以上となりそうで物価上昇が基調的との日銀の考えを後押ししそうです。
春闘2025回答状況 賃上げは?中小企業は?連合の集計・全労連発表の交渉状況
防衛費増大、夏の参院選を控えた政局不安も債券利回りの上昇を誘発しています。
40年債利回り、初の3.0%に上昇 政局不安を意識
これらは円高要因です。一方、円安要因としてデジタル赤字が常態化しています。
デジタル赤字の常態化と今後の方向性
NISAによる海外資産買い付けによる円流出も円安要因として取り上げられるようになりました。NISAの累計買い付け額が56兆円を超え、2027年とされていた目標に早々と到達しています。
NISAの累計買い付け額が56兆円超え 政府目標に到達

今週はFOMCと日銀政策決定会合があり事前予想どおり金利据え置きとなりました。
本日3/22の発表で先週より幾分さがったものの、円買いポジションがいつ大きく解消に向かってもおかしくない状況です。
よくみて取り組んでいきたいとおもいます。

 

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