3/30週振返り:スタグフレーションの瀬戸際…世界株式市場パニックの渦中


相互関税の詳細を米国が4/2に発表、一律10%に加え国別に上乗せ関税を一覧表にして公表しました。
日本は上乗せ分24%で合計34%です。小国にも容赦なく税率が最も高いのはアフリカ南部のレソトが50%、ヴェトナムが46%、カンボジアが49%となっています。他方で、基本関税だけなのがイギリスのほか、シンガポール、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランド、トルコ、コロンビア、アルゼンチン、エルサルバドル、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどです。
トランプ氏、相互関税を発表 最大50%で日本は24%
一覧には「アメリカに対する各国・地域が課しているとする税率」が併記されており、上乗せ関税が生じている国・地域にはその1/2をアメリカが課すことが読み取れます。日本であれば24%は46%の半分となります。
では46%の根拠は?アメリカの商務省によるとと、2024年の日本からアメリカへの輸出額は1482億ドルで、日本にとって684億ドルの貿易黒字とのことで、その比率から算出されたようです。貿易黒字であって関税ではない…。
“日本はアメリカに46%関税” どう算出? 米表明の相互関税
レソトなんて正直なところ名前を聞いたこともない小国が特異値をつけているのは機械的な計算によるところなのでしょう。
派手に打ち上げたあとはいえトランプ大統領が交渉を望んでいるわけですから、これがMAXで交渉次第で下がっていくものとはみられます。

世界の株式市場がパニックです。週間で日経平均が7.3%、TOPIX8.41%、米国ではS&P500が8.21%、NYダウ7.41%、ナスダック8.55%の大幅下落です。年初来堅調であった欧州でもストック600が8.13%下落、中国は意外に手堅くCSI300が1.7%の下落に留まりました。公表後まともにショックをくらったのが日本市場でそれが世界を一巡する4/3~4/4に大暴落です。

さらには4/4日本市場が引けた後に中国が報復措置を打ち出したことで二巡目の渦中です。過剰生産能力の是正のためにも内需拡大が求められてきた中国は、どのみち構造改革が必須とあってか米国が示した比率と同じ34%の報復に打って出ました。
アングル:トランプ関税は「全方位封じ込め」、内需主導への転換急務の中国
4/4発表の3月雇用統計は堅調であったものの、関税の影響がまだ反映されていないこともあって米株市場は材料視しなかったようです。
米雇用者数、予想上回る伸び-大規模関税の前に労働市場は堅調

4月末に就任100日をむかえるトランプ大統領は、初動の勢いで世界を揺さぶっています。世界が懸念するのは混乱の長期化です。
関税による輸入品が高騰しインフレが再燃し、混乱が投資に及び腰となり景気後退が懸念されスタグフレーションへの警戒感が高まりました。

景気後退であれば利下げというロジックが通用しなくなるわけで、FRBパウエル議長の発言も冴えないです。
パウエル議長、関税でインフレ長期化を警戒-様子見維持を示唆
パウエル議長の任期は来年2026年5月で厳しいかじ取りがつづきます。
パウエルFRB議長、早期退任改めて否定 「任期全うする」
ドル円は一時144円台まで円高が進み、各国通貨に対してもドル安です。スタグフレーションともなれば金融政策が中途半端になり、これまでのドル高の流れを反転しやすくなります。
【ドル円 今週の見通し】強まる米国のスタグフレーション懸念、今週も米経済指標にらみ、ドル円の下落を警戒
【為替】「スタグフレーション」と米ドル安

米国としては報復関税がおだやかと想定してドル安を手掛かりに輸出増を見込み、石油増産などの規制緩和そして減税、関税による財源確保で景気の維持と成長を目指しているのでしょう。
1970年代におきたスタグフレーションは、80年代の英国サッチャー首相、米国レーガン大統領にみられる小さな政府を指向する新自由主義ともいわれる強硬策で封じ込めました。
小さな政府を目指す点では目下イーロン・マスク氏が主導するDOGEによる改革と相通じるものがあります。
先進国では人口減が顕著で移民排斥がそれに追い打ちをかける現在では、労働力不足が深刻です。荒治療を施しても失業率を悪化させずスタグフレーションを回避できるのだとトランプ政権はみているのかもしれません。

このシナリオに小国を含め世界各国がついていくのか、それともやはりスタグフレーションに陥り停滞期に入ってしまうのか…まさに瀬戸際に立たされています。

 

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